ニガヨモギ
苦艾の量産培養をしている内になだらかな丘陵の
平原突崎にこのような植媒の生え抜きの天然の葉丘が
現れた。焼き払う内に、火の手が上がり過ぎて近隣の水辺の
水場から桶を手に、大人数の手で水をかけては駆けずり回り、
いよいよと悟った伍僚は近場の水脈の通る鉱脈の岩山岩場を
クウェルの火柱によって吹き飛ばす。すると、水に更されて
イオン溶融物の大量に残るその場の水沼跡から立ち上った蒸
の水気は、すべてを呪い黒き藪病と異様な怖気の重力の旋転
が如きめまいを発生させ、人の垣根たる厳然の領府、人の魂
その座核であるところの意識をも以てして、此崩落に落とす。
そして、その影響は呪いなどではなかった、物理量体で在る
ところの大気中放流放気排気イオンが、天の落雷と雷縛、そして
ついには天の崩落、隕石を落とすまでに至ったというのだ。
このような伝説が数限りなく存在し、やがて人はこれを
利用できる事に気付いた。何度と無く、歴史の中で黒い歴史、
裏の歴史、あってはいけない事のすべての暦として数えられる程に