Victo-Epeso’s diary

THE 科学究極 個人徹萼 [CherinosBorges Tell‘A‘Bout] ノーベルノークスクラム賞狙い 右上Profileより特記事項アリ〼

星の都

塔の麓に、いくつか侵入口があった。
通風孔のダクトような場所を進んで中に入っていく。


砂埃にまみれたダクトの奥に、金属の鉄さびたような柵に
覆われた換気口が見つかり、なんとか柵を外して中に入った。


奥の方に進んでいくと、エスカレータのような段差があり、
乗っても反応はなかったが、階段として上層へ向かった。


塔の中には街があった。


街は、精緻に区画された四角形の建造物が摩天楼を成し、
そこかしこに模造された緑があった。しかし、虫くいの痕一つ感じられず、
景観を整えるために作られた模造品であることは明らかだった。


空気の動きを見ると、ここは空調が効いている。


しかし、人っ子一人居ない。
荒野と、市街の残骸、汚染され風化して、
半分砂漠に埋まった外の世界の風景と、
誰も居ないという点においては変わりがなかった。


街の建造物に足を踏み入れる。
突如として流れ出す軽快な音楽。
どうやら、ここはなにかの店舗だったらしい。
エネルギーラインはまだ生きているようだ。


私は、その街の残骸をあさり、数ヶ月に渡り歩きまわった。


そこにあったのは、先史文明と言う名の過去の幻影だった。