Victo-Epeso’s diary

THE 科学究極 個人徹萼 [CherinosBorges Tell‘A‘Bout] 右上Profileより特記事項アリ〼

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

メルトバース

私が選ぶ事の出来たのは、結局ひとりきりで居ることだけだった。私が私以外に番となるなにかと出会い、番う事が出来たとしても、それに意味を感じなかった。なぜなら、私は生まれたからだ。世界のすべてを犠牲に、私は生まれた。私の存在が罪であり、罰なの…

塔の果て

塔の果て、宇宙の彼方には、「なにもない」があった。倒れ伏した私の肋骨から、一本の骨がこぼれ落ちた。それは塔の炉である銀河中心の太陽に落ちた。新しい形の染みが生まれた。それは、因果の因と、因果の果をいとも簡単に入れ替えた。世界のすべてが完全…

時間圧搾

空間の圧搾技術があるなら、それが時間方向に働くこともありうる。そして、すべて物質はすべて空間であり、すべて空間はすべて物質でもありうる。私は、地球に何が起きたのかを思い知った。時間の圧縮により、何千万年という長い時間が一瞬にして訪れた。そ…

その部屋には何もなかった

私はその部屋に入ったが、その部屋には何もなかった。ただ、私はなんとなく気になってその部屋に立ち止まった。この部屋にはなにもない。同様に、この塔にもなにもない。世界が滅びて、今までにないものが見つかった。でも、その中身は空っぽのハリボテだっ…

空間圧搾

かつて、空間圧搾技術と言うものがあった、らしい。塔の都市を作った、先史文明の遺産だ。この塔は空間圧搾によって普段通常の空間位相から隠されており、恒久の時間に耐える強さを持っているらしい。しかし、その塔が通常空間に姿を表したということは、滅…

星の都

塔の麓に、いくつか侵入口があった。通風孔のダクトような場所を進んで中に入っていく。砂埃にまみれたダクトの奥に、金属の鉄さびたような柵に覆われた換気口が見つかり、なんとか柵を外して中に入った。奥の方に進んでいくと、エスカレータのような段差が…

王国の夢

巨大な機械仕掛けの塔。現代の社会にはあってはならないもの。あり得ざる真実がそこにはあった。見たところ、塔は天高くまで続いている。高さにして数十kmはくだらないだろう。雲上の高くまで続いて、空気の散乱によって上部は見て取れない。こんな施設が…

虚栄の塔

西に向けて歩み続けると、建物の残骸が散見されるようになった。手頃なボロきれで身体を覆い、被服する。人々が生きていた時代は終わった。生命は、動物も、虫のようなものも、植物ですらすべて……死んでしまった。止まった歴史の時代、何もかもすべてが史料…

死せる星の王

地上に降り立った私は、何が起こったのか確かめようとした。大地は灼熱の地獄と化して、人間にはどうしようもないくらいの大いなる災厄によって焦土と化したことが目に見えていた。人間であった頃の私が覚えているのは、平和だった世界に急に、東の空から渦…

メルトエンド

その日、世界の終わりを願った誰かが居た。誰かはスイッチを押した。世界は死んだ。それだけのためにこの物語は存在する。人類のすべてが一つになれればいいのに。そんな夢を思い描いていた時期があった。大人になって、現実を知って、孤独を知った。なのに……