Victo-Epeso’s diary

THE 科学究極 個人徹萼 [CherinosBorges Tell‘A‘Bout] 右上Profileより特記事項アリ〼

NOVELUMSTRUCK

📔 Soil Entrize - Cage of Natural Selection. (2014/09/07)

Soil Entrize - Cage of Natural Selection. まただ。 また、世界が暗転している。 隣の部屋の住人がガンガンと、ベッドの淵を手で叩く音が聞こえてくる。 テレビジョンに映る映像はサイケデリックな幻覚と化している。 3m四方程度の小さな古びた部屋に押…

📔 時結び

宇宙の真理と悟りの話 最初にあったものは、一つの磁石だった。我々が世界と呼んでいるものの正体だ。それは遍く情報を内包し、あらゆる実在と非実在、それにあらゆる肯定と否定を含んでいる。双極化する無数の原理が波の干渉を起こすが如く、互いに打ち消し…

📔 セグメントアーク

セグメントアーク [2018/10/03] 朝霧夕一 神鳥和真 第一部 白熱光 南米大陸の1/5が消滅する大事変が起こる。 事件の謎には戒厳令が敷かれ、世界は動乱の時代へと移ってゆく。 その日 空を飛ぶ少年が目撃された日。 ビルの上から浮いて飛んだ少年は、その後警…

📔 アンサーブリード

アンサーブリード [2019/09/07] <答えの種>が現れて十年── 今や世界を支配する<光の教団>は 新しい種の子どもたちを手厚く保護していた。 その保護区域にテロリスト集団が現れ、 少年と少女は離れ離れになってしまう。 教団の対抗組織<新しい世界の樹>が 狙…

📓 アーリィ・コンシャスネス

[1] 「我々の意識を形作るのは脳だ。だが、意識を形作るものとは何だ?」 そう言って教授は自分のこめかみをトントンと叩いた。 「我々を形作っているもの……脳、肉体、感覚器官。それは三次元の物質世界の中に存在する……しかし、本当の自分と言うのが単に物…

📔 終末の書の南

あれからどれくらいの時が経っただろう?地球の歴史が閉じ始めた、あの事象(イベント)の始まりから? 人類がそれに気づいたときには何もかもが手遅れであり、また、気づいてしまったことにより世界は更なる衰退に導かれたのだ。 そういった意味では、信仰ほ…

📒 終わりは遠く

クロスホエン、と言う場所を知っているだろうか。 交叉時点、あらゆる時間と空間が交差する場所。 それは宇宙の始まりまりであり、終わりである。 そして、それは都市である。 宇宙は情報によって構成されていると考える事ができる。 相対論、量子力学、ひも…

📓 幸せのかたち

廃星メルポメニアから通信が入った。 「人はなぜ幸せを求めるのですか」 たった一言だけだった。その文面を見た途端、懐かしい記憶が蘇ってきた。 その言葉は僕の脳裏にはっきり焼きついている。忘れもしない、西暦4000年、4度目のミレニアムに沸き立つ惑星…

📒 サクラダイアグラム

◇転入生 「今日からこの学校に入る事になった三島卯月です。みんな、よろしくね!」 片田舎の街の高校に、季節はずれの転入生がやって来た。 それだけでも十分話題にはなる出来事だったが、その転入生が絵に描いたような美少女であったとなれば、もはや大ス…

📒 群青は晴天の砂漠を往く

精神医学と、仮想現実と、引きこもりキモヲタニートの話 自慢できるほどではないが、私は器用な男だった。 三人兄弟の次男として生まれた私は、意思が強く、よく両親と喧嘩をする長男と…… 甘えん坊で、その癖、気の強い三男との間に挟まれて成長した。 兄も…

📘 僕はキミを許さない。~許さない、絶対にだ~

青さ爆発0721小説 このあいだ僕の古い友人であるところのHの家に行った。 適当にくつろいで、手料理をご馳走になったり一緒にテレビを見て笑ったりした。 彼は恋人のKと別れてからいつも無愛想だったので心配していたが、 H曰く「大丈夫だよ過去の事さ。…

📒 ニンギョウさんのはなし

ゆめのあるニンゲンになりたいと、いつもねがっていました。 ボクはコワレかけたニンギョウのようなソンザイでしかないから。 いとがきれて、だれにもあやつってもらうことのできないニンギョウさん。 だれともつながることのできない、あわれなオモチャ。 …

📒 深きものの噺 ‐ Episode From Deep One.

死んだ魚のような目、という表現がある。 目が曇っており、瞳に生気の宿らない、光を失った眼差しをした人間の眼。 無気力的で、力のない瞳…… 僕はその表現は的を射ているのだと思う。 いいや、表現などというレベルではなく、物理学的に有り得る話なのだ。 …

📒 リアル桃太郎

僕の名前は桃太郎。 変わった名前だと思うだろう?でもこれには特別な由来があるんだ。 驚かないで聞いて欲しいが、なんと僕は桃から生まれた人間だというのだ。 これは僕を拾ってくれたお祖父さんとお祖母さんが聞かせてくれた話なのだが、ある日お祖父さん…

📒 クリスタルコミュニケーションズ

西暦2012年、8月2日――東京。 天気予報は告げた。この日の最低気温はマイナス10度。 首都圏は今日も凍えるような真冬日だった。 ◇ 黄泉実亜(よもつ みあ)の一日は、暖かいコーヒーを飲む事から始まる。 以前はコーヒーなどたまに缶入りのものを買って飲むく…

📒 白鳳の湖

◆1 エイミが家を飛び出したのは午前10時を回った頃だった。 「伯母さんを助けるために、薬を取ってくる!」と言い残し、幼い少女は街を飛び出したのだ。 ロゼッタストリートと呼ばれる郊外の田舎町。緑と山に囲まれ、住人達は皆顔見知りだった。 エイミが…

📒 イルミナティズ・アセンション

(※尾崎兵梧の日記より抜粋) 私が「ネッコ」と言うハンドルネームで文書を書き始めてから、もう既に数週間もの時が経った。 あれから私の生活は、とても滑稽な、恥辱に塗れた日々と成り果てた。 これも私がイルミナティの広報役として選抜されてしまったから…

📒 人類の離散的幸福の時代

(尾崎兵梧の日記より抜粋) 意識のクオリア問題について、私の見解を述べる。 良く言われることではあるが、同じ場所に居る複数の人間が同じ光景を見ていたとしても、各々が自覚する『感じ』というものは、全く違うものであるかもしれない。例を挙げれば、周…

📘 イデアルゴリズムPt.4

イデアルゴリズム Pt.4 目の前には青い空があった。 何処までも透明で、澄み渡る空。 しかし、どうあがいても手が届かない空。 ほんの一歩たりとも届かない青の世界。 「あー……」 僕はその円形の青空に向かって手を伸ばした。 でも、伸ばした手は暗闇の淵か…

📘 イデアルゴリズム Pt.3

「実はこの世界は滅びに向かっているんだ」 「はぁ?」 岡倉悠馬はいつものように突拍子もない話を始める。僕は『ああ、そうですかハイハイ良かったね』と適当にあしらおうとしたのだが、上手くいかなかった。何故かというと、その時は丁度学校の近辺に大地…

📘 イデアルゴリズム Pt.2

僕はどうやら、未だに岡倉悠馬の仕掛けた夢の中に居るらしい。 そのことに気が付いたときにはもう手遅れだった。 下駄箱に入っていたラブレター?誘われるままにまんまと放課後の屋上におびき出されてしまった僕は、既に抜け出すことの出来ないフィンガート…

📘 イデアルゴリズム

「観念生成式、というものを知っているかい?」 「知らん」 僕は即答した。 「まあまあ、そう言わずに。知ろうとする気持ちこそが大事なんだよ、南部君」 「まーたそう言う事を……」 僕は軽く手を振って岡倉悠馬を追い払った。 今は授業休みの真っ只中。次の…

📒 150億の星の廻り

神となったが如き男を再現しようとした実験に 巻き込まれ葛藤を余儀なくされた少年少女の後悔と悲哀 その研究所は今では古く薄汚れていて、利用されることもなく打ち捨てられていた。 米国のとある片田舎にあり、澄んだ空気の中、小さい施設なりに夜ごと天球…

📒 70億の人の群れ

「お母さんが死んだよ、シム」 母親の訃報が届いた時、その子供はまだ10歳にもなっていなかった。 「シム、よく聞いておくれ。もう君のお母さんは家に戻ってこられないんだ。天におわす御主の元へ帰っていったんだよ」 子供を宥めようとする大人たちの声は、…

📘 G.N.S. - 別離の理由

G.N.S.4.44 ──空が落ちてくる。 廃病院のベッドで寝転がりながら昨夜の事を思い出す。 眩しすぎたあの星空の彼方に消えていった彼女の事。 もう朝日は昇っているはずの時間なのだが、天体の軌道が歪んでいるかのように光も姿を現さない。 その代り、天に瞬く…

📘 G.N.S.[4-5] 十二年後

記憶の中で、柔らかい夕日が窓から射しこみ、視界が鮮やかな赤で彩られている。開かれた窓から吹き こむ風は、窓枠の上に座る先輩の長い髪を、たおやかに揺らし続ける。 僕はそのころ高校二年生だった。放課後の校舎、静かな部室棟の一室。僕らは二人でそこ…

📘 G.N.S.[4-4] 彼女は行った

風の音が聞こえて目を覚ます。 周囲の視界は暗い。だけどその向こうには無数の瞬き輝く光の点……迫ってくるような星空が目の前に あった。 僕はベッドに寝かされていた。体にかけられた薄汚れた布団を蹴って、硬い枕から頭を起こす。 動いた時、わき腹が痛ん…

📘 G.N.S.[4-3] 未来のこと

意識が真っ暗闇に染まったと思うと、今度は次第に明るくなってきた。何かが開く音がした。自分の中 の閉ざされた扉が開き、自分の実存が溶け、魂が肉体から解放されたような気がした。その外側に飛び 出していくと、あまりにも眩い光が僕を貫く。だけど不思…

📘 G.N.S.[4-2] 星詠みの子供達[後]

いつの間にか閉じていた目を開く。目の前には少年が立っている。その後ろの廊下の外では、操られた 市民たちが大勢で待っているのが見える。この少年は何ものなんだろう。考えるまでもない。ジオシン メトライザーだ。だけど、他の市民とは異質な感じがする…

📘 G.N.S.[4-2] 星詠みの子供達[前]

空気は少し肌寒くなってきた。走り続けて温まる体と、そこから抜けていく熱を感じる。壊れた街の向 こうに見える空が、少しずつその色合いを変えていく。薄暗い雲の向こうで日が落ち、再び夜が訪れる 時が近づくのがわかる。それでもまだ日が落ちるまでには…