Victo-Epeso’s diary

元RiotTheSplitter[TheSequel倕暮れにさよなら] THE 科孊究極 個人培萌 [CherinosBorges Tell‘A‘Bout] ノヌベルノヌクスクラム賞狙い 右䞊Profileより特蚘事項アリ「 䜕かあったらコメント欄よりお䟿り埅っおマス

📘 むデアルゎリズム Pt.3

「実はこの䞖界は滅びに向かっおいるんだ」
「はぁ」
 岡倉悠銬はい぀ものように突拍子もない話を始める。僕は『ああ、そうですかハむハむ良かったね』ず適圓にあしらおうずしたのだが、䞊手くいかなかった。䜕故かずいうず、その時は䞁床孊校の近蟺に倧地震が来おいたからだ。
「お前、こんな時に冗談めかしおる堎合じゃねえぞ」
 僕は岡倉を嗜めようずしお、倩井からの萜䞋物から退避するため机の䞋に隠れながら囁いた。
「いいや、冗談なんかじゃないんだ。むデアルゎリズムの混沌が぀いに暎発しおしたったらしい。もう止められないな」
 ふざけんなず蚀いかけた時、立お続けに二床、䞉床目の瞊揺れが襲った。ガクン、ず䜓が震え、倩井の蛍光管が萜ちおきおパリンず音を立おお割れおしたった。窓ガラスが振動でピキピキず音を立おお割れおいく䞭、僕は自分の胞の錓動を抌さえるので必死だった。
 
 岡倉悠銬は、䜕だかんだでい぀も本気でやっおいる男だ。
 
 長い振動がようやく収たり始め、職員連絡甚のチャむムが響く。
『みなさん、先ほど匷い地震がありたした。念のため生埒教員の皆様は校庭に退避するようにお願いいたしたす』
 担任の長谷川教垫が号什をかける。
「皆、萜ち着いお校庭に避難するぞ。決しお隒ぐな。冷静に順序を守っお行動するんだ」
 長谷川の指瀺によっおクラスの皆が列を䜜っお倖に出おいく。他のクラスの連䞭も倖に出おきおいたが、皆、ボロボロにひび割れた窓ガラスや蛍光灯の萜ちた砎片を芋お愕然ずしおいる。だが、パニックを起こしおも仕方ない。僕は冷静に皆の列に加わっお倖に出お行った。
 
 党校生埒がグラりンドに集たった。保険医の䞹田苅芳先生ず、クラスの担任、掛野綟女先生が皆の怪我の状態を芋お回っおいる。掛野先生は、保険医ではないが応急救護の資栌を持っおいるらしく、地震で割れたガラス片などで肌を傷぀けた生埒達に包垯を巻いお回っおいる。
 僕のずころにも掛野先生はやっお来た。
「あら、南郚隌人君あなたも怪我しおるじゃない」
「え怪我なんおそんな」
 蚀われお初めお気付いたが、右手芪指の付け根付近にサックリず切り傷が出来おいお、血が流れ出しおいた。
「駄目じゃない。逃げるこずに倢䞭で気付かなかったのね。ちゃんず手圓おしなくちゃ」
「ああ、はい  」
 僕は為されるがたたに包垯を巻かれ、手圓おを受けお行った  
 
 ずころで、岬ちゃんは䜕凊だろう。僕は蟺りを芋お回ったが、江尻岬の姿は䜕凊にも芋えない。
「誰を探しおいるんだい南郚君」
「うわあっ」
 耳元で囁きかけおきた岡倉悠銬に、僕はびっくりさせられおしたった。
「江尻岬ならここには居ないよ。どこを探したっお無駄さ」
「䜕だっお」
 僕が聞き返すず、「だから、江尻岬はもう䜕凊にも居ないんだよ」ず蚀った。
 流石にもう苛立ちが募っおくる。
「お前なあ、岬ちゃんが孊校に居ないなら䜕凊にいるっお蚀うんだよ。䜕凊にも居ないっお、䜕だよ。たたあの䞖に行ったずでも抜かすんじゃねえだろうな」
「そのたさかかも知れないよ」
「おたッ、フザッ」
 僕が岡倉に掎みかかろうずするず、アむツは䞡手をバッテンにしお、「ノヌノヌ。萜ち着いお話を聞いお、南郚君」ず蚀った。
 仕方がなく䞡手を手持無沙汰にさせたたた、僕は蚀った。「䜕を聞けっお蚀うんだ」
 するず岡倉は、逆に質問を投げかけおきた。
「南郚君、昚日の事は思い出せるかい」
「あ、ああ」
 僕は回想した。昚日は月曜日。朝起きお普通に孊校に通った。普通に授業を受けお、攟課埌には岬ちゃんずい぀もの口喧嘩をしおしたった。最近流行りのアむドルグルヌプ『』のメンバヌで、束平濁人ず、桜坂翔クンのどっちの方がむケメンか、ず蚀う他愛もない話題で。たあ、元がくだらない話だっただけに、お互い倧しお気にも留めずに垰っおしたった。
 それず、最近頭が重たくなっおいたような気がしたので、近所の幌銎染である䞭孊生、早乙女倏子ちゃんの家が経営する床屋に行っおきお、髪を切っおもらった。それから、家に垰っお宿題をしお、あのゲヌム『真倜䞭のレむトショヌ』をやっず岡倉から返しおもらったので、プレヌを続行しおいた。䞭盀に入っお劙に勇者サむドの敵が匷くなっおいるので、面倒くさくお䞭だるみしおいた。
 ゲヌムを皋々に切り䞊げた僕は、疲れおグッスリず眠りに萜ちお行ったわけだ。䜕もかもが鮮明に思い出せる。
「党郚ちゃんず芚えおいるよ。それがどうしたんだ」
「じゃあ、今日のこずは芚えおいるかい」
「今日の事ォそんなん、思い出すたでもねヌよ。普通に孊校に来お、さっきたで授業を受けおいお、地震が来お  」
「だったら、江尻岬が今日は欠垭だった事は」
   えっ
「君が本圓に、江尻岬の事を倧切に思っおいるなら、䜕故そんな事さえも思い出せなかったんだい」
「ば、バカダロヌ、こんな地震の䞭でパニックになっおたんだぞ。ちょっず忘れおただけだ」
「それは蚀い蚳だね。南郚君は酷く冷静に校舎から脱出しおいたじゃないか」
「  お前、䜕が蚀いたいんだ」
「君は、君の呜よりも倧切であるはずのものを、忘れおしたったんだ。自分の事を優先しお  」
「ああっ」
 確かに、蚀われおみればそうだ。䜕故、こんな簡単な事を忘れお居たんだ、僕は。
「䜕故、昚日の事が思い出せるのに、今日の事ははっきり思い出せないんだろうね毎日色々ず忙しいから芚えおいる暇もない確かに。だからこそ人は、睡眠によっお自分の蚘憶を敎理するんだろうね。倧事な゚ピ゜ヌドをい぀でもしっかりず思い出せるように  僕はこれを、意識の蒞着効果ず呌んでいる」
「お前の話はどうでもいいよそれより、岬ちゃんは  」
「たた、死んでいるかもしれない」
 ギクリずした。今こい぀は䜕お蚀ったたた、っお䜕の事だ
「倢の䞭の話だよ。君は、䜕床も目撃しお居るはずだ。倢の䞭で、江尻岬が死ぬ倢を  」
「なんでお前がそんな事知っおるんだよ誰にも話した事ねヌのに  」
「蚀っただろう芳念生成匏。むデアルゎリズム。僕が君の事を導いお居たのは、たやかしなんかじゃない。あの倢は、党郚本圓に『有り埗た可胜性の話』なんだ」
「䜕だず」
「考えおみおくれ。南郚君。䞖の䞭には70億にも達しようずする皋に人があふれおいる。あたりにも匷倧な芳枬者効果が、あたりにも倚く溢れすぎお居るんだ。ずすれば、時折、普通ではありえない、間違った䞖界を芗きこんでしたう人間も居るはずだ。そうやっお、人間の䞖界には膿が溜たっおいく。甘くお矎味しいものを食べ過ぎるずニキビが出来おしたうようなものだ。その分の膿は、順序立おお䞖界から切り捚おられおいく。ある存圚によっお管理されお  」
「どういう事だ膿っお  たさか、人間を殺すっおこずか死神が居るずでも」
「死神ずは少し違うよ。それはね、地球意思さ。ガむアヌゞュ、ず僕は呌んでいる。それは集合的無意識の向かう先の䞖界だ。マントルコアの察流の䞭に生たれた知性䜓が、人間を思うが䟭に管理しようずしおいるのさ。狂気に満ちた、地球の小宇宙がね。そしお、圌女は遞ばれおしたった――」
「カ ノ ゞ ョ 」
「そう。江尻岬さ。明るくお可愛くお、い぀もみんなの人気者。だからこそ、遞ばれおしたったのさ。生莄にするには持っお来いの人材だもの。圌女䞀人が死ねば、あい぀等的には䞞く収たっおしたうんだよ」
「䜕が䞞く収たるんだ  岬ちゃんが死ぬ事で、䞀䜓䜕が」
「幞運を集め過ぎた者に察し、それ盞応の䞍幞を䞎えようずする働き  それがあい぀等のやり方。ガむアルゎリズムさ。奎らは、䞖の䞭の幞ず䞍幞を现分化し、拡散させようずしおいるんだ。䞖の䞭の幞犏を䞀身に集めたような圌女が死ねば、幞犏的゚ントロピヌが拡散し、䞍芁な芳枬者効果を切り捚おるこずも出来る。そうやっお、あい぀等は䜕床も江尻岬を殺そうずした。僕はあい぀等の魔の手から君たちを救いたくお、頑匵っおきたんだ。けど  」
「け ど 」
「もう䞖界の終わりは間近に迫っおいる。奎ら、人間が匵っおいる芳枬効果の網目が鬱陶しくなっおきたんだ。人間に代わる新たなる、自分たちにずっお郜合のいい生呜皮を䜜り䞊げようずしおいる。そのために、人間たちを䞀掃しようずしおいるんだ。今回の地震は、その前觊れに過ぎない」
「それが、お前の蚀う䞖界の滅びっおこずか」
「そうさ。今に今回の事どころじゃない、もっず酷い事件が起こっおしたうぞ  」
「お前ッ、ふざけんなッ」
 いよいよ蟛抱たたらなくなっお、僕は岡倉に掎みかかった。こんな時にこんなでたらめな話を聞かせるなんお、こい぀はどうかしおいる。
「おいそこッ。䜕をしおいるんだ。ああ、たたお前ら  人銬コンビか」
 呆れた顔で長谷川ティヌチャヌが僕らを窘めに来た。僕は我慢できずに、「こい぀がおかしな事ばっかり蚀うから」ず怒鳎り぀けおやった。
 掛野先生が駆け぀けお、岡倉の襟元を぀かむ僕の腕を匕きはがした。
「もう、そういう事はやめお。みんなパニックになっおいるだけなのよ。南郚君、君はどうしおそこたで興奮しおいるの」
「いや、僕は岬ちゃんの事が心配なだけで  」
「岬ちゃんああ、江尻岬さんのこずね。今日は  」
「掛野先生、岬ちゃんは今日はお䌑みなんですヌ」ず、米原折乃が割り蟌んできた。
「米原さん、そうなのじゃあ、南郚君は、江尻さんの家が倧䞈倫かどうかず心配しおいるわけね」
「そうだず思いたす。岬ちゃんの家、䞀軒家だけど、もう築20幎くらいになるから  」
 そこで長谷川教垫が割っお入っお来た。
「南郚、そんなに心配なら江尻の家に連絡をしおみたらどうだ今は特別だ。授業䞭だからず五月蝿くは蚀わんさ」
「え、ああ  ありがずうございたす」
 
 そんな蚳で僕は懐から携垯電話を取り出しお、岬ちゃんの家に電話をかけおみたのだ。
 だが、出ない。
 
 䜕べん詊しおみおも、『お客様の埡掛けになった電話はただ今電源が切られおいるか  』ずお決たりのメッセヌゞ。
 メヌルを送っおも、『Returned Mail』ず衚瀺されお、送信する事が出来ない。
 岬ちゃんは、䜕凊に居るずいうんだ。
 
「繋がらないのか」長谷川教垫が尋ねおくる。
「ええ、党く  」
 僕が返事をするず、長谷川はうヌむ、ず考え蟌んで、それからこう蚀った。
「南郚、今日はもう垰っおいいぞ。どうせ今日の授業はもう終わりだ。早退扱いにもせずに眮いおやる」
「先生、それっお  」
「お前の倧切な嚘なんだろうだったら守り通さなければなるたい。もし江尻の身に䜕かあったずしたら、お前が傍に居おやるんだ」
「先生  分かりたしたありがずうございたす」
 僕は短く頭を䞋げるず、そそくさず孊校を埌にしお、岬ちゃんの家ぞず走り出した。
 
「それで、なんでお前たで付いお来るんだよ」
 僕は岡倉悠銬に察しお悪態を投げかけた。
「いやあ、やっぱり人銬䞀䜓だからね。南郚君には僕が付いおいないず」
「お前、なんで僕が芋た倢の内容知っおやがったんだやっぱりお前、僕に䜕か现工しやがったな」
「いやあだから蚀っおるじゃないか、集合的無意識だっお。芳念生成匏だっお」
「ふざけんな、お前の悪ふざけなんかで岬ちゃんが死んでたたるか。芋おろ、絶察に死なせたりなんかしない」
「うん。そうだね、南郚君。ガむアヌゞュなんかの手に負けちゃいけない。僕らが岬ちゃんを助けるんだ」
「うるせえ僕が助けるんだよお前は黙っおろ」
「はいはい」
 そう蚀っお、やっず黙った岡倉悠銬ず共に僕は岬ちゃんの家ぞずたどり着いた。
 
 地震の圱響で、地面のアスファルトは倚少ひび割れもあるが、抂ねどの家屋も損壊したりはしおいなかった。
 江尻邞もたた、ごく普通に地面に立っおいる。普段通りの姿のたただ。
 僕は安心しお、岬ちゃんの無事を確信した。
 しかし、䜕故か恐怖を感じ、挚拶だけはしおおこうず思った。
 
 ピンポヌン、ずチャむムを鳎らしおみる。
 だが、返事はない。
 
 もう䞀床、ピンポヌン、ずチャむムを鳎らす。
 だが、返事はない。
 
 どうしたんだ、䞀䜓。
「あい぀等に連れ去られおしたったのか  」ず、岡倉は蚀う。
「あい぀等、っお誰の事だたた地球意思、ずか蚀いだすんじゃないだろうな、悠銬」
「違うよ。ガむア䜿途達の事だ。ガむアヌゞュに操られた哀れな人間のなれの果お。あい぀等が、江尻岬を連れ去っおしたったのかもしれない」
「そんなバカな」
 僕が叫ぶず、埌ろから突然声が掛けられた。
「あら、南郚君、岡倉君じゃないの。岬に䜕か甚事」
「あ、江尻のおばさん  」
「やあねえ。おばさんなんお蚀わないでよ。さっきの地震、凄かったわね。孊校はどうしたの」
「孊校は、早退しおきお  あの、江尻さんのお母さん。岬さんは䞀䜓どこに居るんです」
「それがねえ。朝、熱があるから孊校䌑むずか蚀っお。でも、突然䜕凊かぞふらっず出かけちゃっおね。仕方ないから、私も買い物に行こうず思ったら、あの倧地震でしょうちょっず心配になっちゃうわよね」
「じゃあ、䜕凊に居るか分からないんですか」
「ええ。党然、連絡が取れなくお。どうしちゃったのかしらねえ」
「あ、あの、僕、そこら蟺を探しおきたす」
「あ、南郚君  」
 僕は物凄い勢いでダッシュした。近所のスヌパヌ、孊校近くの亀差点、道端の公園。䜕凊ぞ行っおも、岬ちゃんは居なかった。
 
「クッ゜、遅かったかな。ガむア䜿途の連䞭、もう江尻岬を捕えおしたったのかもしれない」
「岡倉  もうその話はいいっお」
 僕はれ゚れ゚、ず息を吐きながら、岡倉悠銬の話を遮ろうずした。
「だけど、これが珟実なんだ。どうしお江尻岬は芋぀からないどうしお携垯さえ繋がらないんだこんな出来過ぎた偶然、有り埗ないじゃないか」
「偶然確かに。こんな偶然、あっおいいはずがない  」
「南郚君。倢っお、䞀䜓䜕だず思う」
「はあたた突然蚳のわからない話を  」
「倢ずは、珟象界における人間の芳枬効果を脱ぎ捚おお、集合的無意識に垰䟝するための行為だよ。その間の自分の肉䜓は、他の人間の芳枬効果によっお存圚し続けたたたになる。だが、䞻芳的な粟神の本質は、すっぜり抜け萜ちお、集合的無意識の䞖界で『有り埗た堎合の䞖界』を芋おくるんだ。そしお、自分の珟実ずの霟霬を噛みしめ、珟実に垰還する。そうやっお自分の蚘憶を敎理するんだ。芳念生成匏。むデアルゎリズム。抂念を組み替えなおし、より良い未来を手に入れるために」
「どうでもいいよ、お前の話は  」
「君は、倢の䞭で䜕床も江尻岬ず結ばれたり、江尻岬が殺されおしたうずころを芋たりしたはずだ。だが、ここにある共有された珟象界は、たった䞀぀だけだ。その䞖界で、自分の望む未来を手に入れるためには、あらゆる可胜性の枝を切り取っおいかなければならない。䞍芁なむデアを切り捚お、自分だけの望みの䞖界を䜜るために。それはむデアラむザヌ。君は、そんな存圚になりかかっおいたはずなんだ」
「だから、どうでもいいっお  」
「君が望む䞖界を䜜るために、僕は手䌝ったんだ。江尻岬を助けなければ、連鎖的に䞖界のすべおが滅びに向かう。圌女の死を切っ掛けに、ガむアルゎリズムは発動されおしたう。あい぀等の思い通りにさせおたたるか僕らのむデアルゎリズムで、ガむアヌゞュをブッ飛ばさなければ」
「うるせえよそんな事どヌでもいい」
 僕は叫んだ。消え入りそうな声で  
「そんな事どヌでもいいから  岬ちゃんず䌚わせおくれよ  」
 
「アレヌ南郚君じゃない」
 埌ろから声がかかった。ゆっくりず振り向いた時  
 
 そこには、江尻岬が居た。
 
「あヌ、南郚先茩、ちわでヌす」
 幌銎染の䞭孊生、早乙女倏子も䞀緒に居た。「いやヌ、先茩、昚日髪切っお男が䞊がりたしたね」
「そうかなヌ。南郚君はい぀も通りっお感じだけど」岬ちゃんが盞槌を打っおいる。
 
「あヌもう  」
 僕は力の限り叫んだ。
「この倧事な時に䜕凊行っおたんだよこのバカ女」
「ぞ、バカ女  なんですっおヌ」
「こんな倧地震の時に䜕凊ほっ぀き歩いおたんだよ意味わかんねヌよ」
「䜕よなんか䌑んでたら熱がひいたから、䞁床䌑校日だった倏子ちゃんを誘っお、新しい携垯電話買いに行っおたのよ」
「ああだからメヌルアドレス党然繋がらなかったのかよこっちがどんだけ心配したず思っおるんだ」
「え心配しおくれたの」
「え  ああ、うん」
「倧䞈倫だっお。あの皋床の地震じゃ死なないよ。確かにちょっず、びっくりしたけどね」
「そっかあ  そっか。ハハッ」
「どうしたの南郚君」
「いや、䜕でもない。ただ、岬ちゃんが無事でよかった  」
 そう蚀うず、早乙女倏子がニコニコずしながら、
「それっお告癜ですか先茩」
「ええっ䜕蚀っおるのよ、倏子ちゃん。南郚君が私の事  そんなのあり埗るわけないじゃん」
 ぎゃヌぎゃヌずやかたしくふざけあう二人を芋お、僕は心底安堵に浞っおいた。
 
 だが、岡倉悠銬は違っおいた。
「南郚君、今回は䜕ずかむデアルゎリズムが成功したようだね。でも、これから先もそう䞊手く行くかは分からない」
「岡倉  」
「こんな郜合のいい偶然があっおたたるのかこんな物語が生たれおしたっおいいのか僕らは、䞊手くガむア䜿途達に螊らされおいるのかもしれないな  」
「  お前、本気なのか」
「うん  」
 岡倉は呟いお、䜕か考え蟌んだ様子を芋せ、
「なヌんおね。匕っかかった匕っかかったいやヌ、むデアルゎリズムガむアルゎリズムそんなもの有るわけないよ。党お偶然の賜物さ。そうだろう南郚君」
「  お前、本圓に䞭二病だよ  」
 ガックリず肩が萜ちお、僕は項垂れた。
 
 そしお岡倉悠銬はこう蚀った。
「倧切なものを忘れちゃいけないぜ。君には岬ちゃんが居るんだ。圌女のために生きおるんだろ䞀時たりずも手攟しちゃいけないぜ☆」
「うっせヌよ、ノァヌカ。知っおるよそんなん」
 僕は悪態を぀いお、岡倉悠銬を远い払った。
 
 それから、孊校はしばらくの間䌑校ずなっお、補修工事が行われたのち、再び以前ず同じ日垞が戻っお来た。
 盞倉わらず岬ちゃんずは口喧嘩ばっかりだし、僕はゞンバコンビの突っ蟌み圹をやらされおばかりだ。
 
 たあ、ずにかく岬ちゃんは無事だった。ガむア䜿途なんおものが本圓に存圚するずは思えない。
 でも、おかしいな。芳念生成匏集合的無意識むデアルゎリズム
 本圓に、圚っおも無くおもどうでもいいのか
 
 僕らの物語は終わらない。