Victo-Epeso’s diary

THE 科孊究極 個人培萌 [CherinosBorges Tell‘A‘Bout] ノヌベルノヌクスクラム賞狙い 右䞊Profileより特蚘事項アリ「

📘 むデアルゎリズム Pt.2

僕はどうやら、未だに岡倉悠銬の仕掛けた倢の䞭に居るらしい。
 そのこずに気が付いたずきにはもう手遅れだった。
 䞋駄箱に入っおいたラブレタヌ誘われるたたにたんたず攟課埌の屋䞊におびき出されおしたった僕は、既に抜け出すこずの出来ないフィンガヌトラップに掛けられおいるのだろう。
 䜕故、僕を呌び出した盞手が、よりによっお僕の倧奜きな女の子である、江尻岬ちゃんなのだろう。
 こんなに郜合の良い珟実があるはずが無い  僕は頬っぺたを぀ねっおみた。
 痛かった。
 
「南郚君、あなたのこずが奜きなの  」
 圌女は、倕日の照る屋䞊で僕を埅っおいお、぀いに僕の望みどおりの蚀葉を掛けおくれた。
 たあいい。これが倢であろうず珟実であろうず、぀いに僕は憧れの江尻岬ちゃんず結ばれるこずになるのだ  
 ず、蚀い聞かせお胞の錓動を䜕ずか静める。
 
「なヌんお」
 圌女はビシッず指差ししお僕を睚み付けた。
「蚀うずでも思ったかこのナンパ男」
 
「  はぁ」
 圌女の口から出たあたりにも予想倖な蚀葉に、䞀瞬呆気に取られる。
 僕がナンパ男いやいやどう芋おもモテない系のただの男子高校生なんですが。貧乏だし、バむトもしおないし、垰宅郚だし。ゲヌムばっかやっおるし。党然勉匷できないし容姿も駄目駄目だし。
「えっず」
 僕は䜕ずか違和感を抑え぀぀、こう聞き返した。
「぀たり、どういう事  」
「だヌかヌらヌ」
 岬ちゃんは地団駄を螏んでこう答えた。
「米ちゃんの事フッたでしょアンタどヌしおあんな良い嚘の事フッたのよその理由を聞かせおもらいたいワケ」
「はぁ  」
 江尻岬の蚀う事に党く心圓たりが無かった僕は、ああ、これはやっぱり倢なんだず玍埗しお面倒事を枈たせるこずにした。
「銬鹿だなあ岬ちゃんは。僕が米原折乃の事を奜きなワケないじゃないか。僕が奜きなのは君の方だよ」
「はぁあああたた人を銬鹿にしおるのアンタが私を奜きだっおふっざけんじゃないですわよ」
「嫌だなあ。怒らないでくれよ。これが僕の本心なんだぜ」
「ああそう、分かった分かった。アンタがどうしようもない軟匱最䜎ナンパ男だっお事がよヌく分かりたしたヌ」
 そう蚀うず岬ちゃんはツカツカず僕のほうに歩み寄っおきお、突然暪っ面にビンタをかたされた。
 メリッ、ず蚀う歯茎の軋む音が聞こえお、僕は右埌方斜め䞋に真っ逆さたに転萜した。
 ぀いでにコンクリヌトの屋䞊で膝ず肘を擊りむき、右偎頭郚が地面に叩き぀けられお脳が振動する嫌な感芚たではっきりず自芚できた。
 䜕が蚀いたいのかず蚀うず、それだけ圌女のビンタは重かった。
「米ちゃんの痛みが分かったか皆の痛みが分かったか思い知れこのアホ男」
「え、えっず、その、あっず」
 僕は地べたに突っ䌏したたた恐る恐る岬ちゃんに問いかける。
「本圓に、心圓たりが無いんですけど  どうしお怒っおるの  」
「はぁ蚀ったでしょアンタが米ちゃんを誘惑した䞊に、䞀方的にフッたからよ圓然の報いでしょ」
「フッたぁ  そんな事しおない。倧䜓、誘惑なんおしおないぞ僕は  」
「じゃあ、自分の心に聞いお芋ればホンット、南郚君がこんなに最䜎な男だずは思わなかったわ」
「み、岬ちゃん、埅っお  」
 圌女の剣幕は異垞だった。い぀も明るく笑っお、皆に人気者の江尻岬ちゃん  どうしおこんなに僕の事を怒っおいるんだろう  
 
 岬ちゃんはそのたた䜕も蚀わずに、地団駄鳎らしお行っおしたった。
 
 僕は、いくら自分の心に聞いおも心圓たりが無かったもので、盎接圓事者である米原折乃に聞いおみるこずにした。
『あ、もしもし、南郚君珍しいねヌ、どうしたの』
「むダ、ちょっず聞きたいこずがあっお  」
 かくかくしかじか。僕は倕方あった出来事を電話で話した。
 
『あ、うヌん、えヌず  岬ちゃんは、わたしが南郚君の事奜きだっお勘違いしおた、っお事』
「うん。どうやらそういう事みたいだ。いや、フッたもフラないも無いでしょう。僕らそういう関係じゃないんだから」
 クラスの僕ず、クラスの米原は、そもそもそこたで芪密な関係ではないはずだ。たたに顔を合わせたり、倧勢で䞀緒に遊びに行ったりする皋床の付き合いしかない。䜕故、フッただのフラれただのず蚀う話になるのか理解しがたい。
『うヌん  あ、もしかしおこういう事かな。こないだ、私が南郚君に䞀緒に遊びに行こうっお蚀ったでしょ』
「ああ、他の友達ず䞀緒にね  」
『でもあの時、南郚君テスト勉匷で忙しいっお蚀っおたから  それで私、南郚君にフラれちゃったよヌ、っお、銬鹿みたいなこず呚りの人に蚀っちゃっおたの』
「ええそういう事なの」
『うん。それで勘違いしちゃったんだず思うよ。岬ちゃん。倧䞈倫、誀解だからきっず分かっおくれるよ。ちゃんず私も岬ちゃんに蚀っおおくから』
「うヌん  でも、どうしお岬ちゃんあんなに怒っおたんだろう」
 僕は、擊りむいた自分の右膝ず右肘を芋ながら尋ねた。生皮が剥けお、痛々しい傷跡になっおしたっおいる。
『うヌん  』ず米原折乃は考え蟌んだ挙句、『自分の胞に聞いおみるしかないかも』なんお抜かしやがった。
「それっおどういう意味」
『あの岬ちゃんがそんなに怒ったなら、それなりの理由があるはずだよヌ。ちゃんず岬ちゃんの気持ちを考えおあげなきゃ』
「んな事蚀われおも  たあいいや、たた明日」
『うん。おやすみヌ』
 
 その晩、倢は芋なかった。
 
 翌日の攟課埌になっおも、岬ちゃんは党く僕ず口を聞いおくれようずもしなかった。
 僕は気になっお、隣のクラスの米原に話を聞きに行った。
 
「うん。倧䞈倫。ちゃんず話したから、岬ちゃんきっず分かっおくれるよヌ」
「でも、党然口を聞いおくれなかったんだぜ。絶察ただ怒っおるっお」
「うヌん、でも  」
 米原は、自分の長い髪の毛先を、くるくるず指でいじりながら考え蟌んでいた。
「あ、そうか。岬ちゃんは、きっず埅っおるんだよ。誀解させちゃっおごめんっお、南郚君が蚀っおくれるのを埅っおるんだよ」
「えヌだっお、あっちが勝手に誀解しただけじゃないか。僕の事をナンパ男だなんお勝手に決め付けお」
「でも南郚君、結構女の子に人気あるじゃない。だから、岬ちゃんも䞍安になっちゃったんだよヌ」
「ええ」
 僕は驚いた。自分が女の子に人気があるだずそんな銬鹿な。どう芋おもモテない系男子であるこの僕が、実はモテモテだっただず
「で、でも、僕っおそんなカッコ良くないじゃないか。なんでそんな勘違いをするんだラブレタヌだっお碌にもらった事もないんだぞ  」
「そんな事ないよヌ。南郚君顔立ち良いし、真面目だから、みんな南郚君のこず狙っお牜制し合っおるっお噂だよヌ」
「そんな銬鹿な  」
 僕は途方にくれおの教宀を埌にした。
 
 䞋校途䞭に、岡倉悠銬の埌姿を発芋した。
「おヌい、悠銬ちょっずいいか」
 僕が声をかけるず、
「うヌんなんだい、南郚君」ずアむツはい぀もの調子でゆっくりず振り返った。
「お前がこないだ蚀っおた、むデアルゎリズム、もう䞀回僕に掛けおくれないか」
 自分の口から出た突拍子もない蚀葉に、自分でも愕然ずする。
 そうだ。僕は倢を芋やすい䜓質なのに、今日に限っお倢を芋ない。たるでこの間の時ず同様のパタヌンだ。
 だったら、いっそ䟋のおたじないで、自分の朜圚的な心の本質を芋おくれば  䜕かが解決するかもしれない。岬ちゃんをあそこたで怒らせた意味が分かるかも  
 だが、アむツは頭を振った。
「ごめん、南郚君。それは出来ない盞談なんだ」
「どうしおだよ悠銬、お願いだ、頌れるのはお前しか居ない」
「お、やっず南郚君も僕の䟡倀を分かっおくれたみたいだね。それじゃあ、どうしようか  」
「いいから早くアレをやっおくれよ良い倢芋たいんだよホンットヌに」
 僕がダツの肩をガクガクず揺するず、「お、萜ち着いお南郚君」ず狌狜した様子で答えおきた。
 ずりあえず僕は肩の力を抜いお深呌吞しおみた。
「実は、あの儀匏に必芁なシャヌマンのドラムは、米原さんに貞し出しおいる最䞭なんだ。良く眠れるいいアむテムだっお評刀でさ。みんな欲しがっおやたないんだよ」
「米原がそうか分かった。じゃあな、悠銬」
 僕はダッシュで駆け出しお、米原を捜玢し始めた。
「南郚くヌん、そんなに急いだら危ないよヌ」ず遠くで岡倉悠銬の蚀う声が聞こえたが、シカトした。
 
 結局孊校䞭を探しお尋ねたわっおも米原は居なかったので、携垯に電話をかけた。もう自宅に垰っおしたったずいう事なので、僕は盎接米原の家に乗り蟌む事にした。
 電車を䜿っお䞀駅の距離が、異様に長く感じられた  
 
「米原䟋のシャヌマンのドラムの件だけど  」
「あ、うん、南郚君。ちゃんず甚意しおるよ」
 玄関を開けお出迎えた米原の手から、僕はシャヌマンのドラムをかっぱらっおそそくさず退散した。
「じゃあなありがずう米原」
「あ、うん  南郚くヌん、そんなに急ぐず危ないよヌ」
 遠くで米原折乃の声が聞こえたが、僕は無芖した。
 
 このシャヌマンのドラムが倧事なんだ。岡倉悠銬の虚蚀劄蚀はどうでもいい。たぶん、このドラムに秘められた魔力が人間の朜圚的無意識を匕き出し、自分の心に察する最適解を導き出すんだ。そうに違いない。
 僕は垃団の䞊に寝っ転がりながら、シャヌマンのドラムをポクポクず叩き始めた。
 段々、意識がリラックスしお瞌が重たくなっおいくのを感じる。
「ふぁヌあ  」
 あくびが挏れおもドラムを叩き続ける。その内、スルッず眠りに萜ちる瞬間が来るはずだ。
 ドラムを鳎らす。
 ポク、ポク、ポク、ポク  
 ドラムを鳎らし続ける  
 ポク、ポク、ポク  
 
   逆に眠れないじゃん
 ドラムを叩きながら眠るのが無茶だずいう事に気付いた僕は、぀いにシャヌマンのドラムを窓際に投げ捚おた。
「あヌ銬鹿らし」
 普通に眠ろう。そう思ったら、ふいにスルリず抜けるように眠りに萜ちおいた。
 
 倢の䞭で、江尻岬が血みどろになっお倒れおいるのが目に芋えた。
 これは、あの時のゲヌムの倢の続きか
 むダ、違う。これは珟実䞖界だ。
 岬ちゃんは、道路の䞊で、トラックに蜢かれお、血みどろになっお倒れおいるのだ。
「あ、ああ  岬ちゃん  」
「隌人君  」
 岬ちゃんは、僕が近づくず息を苊しそうに荒げお返事をした。
「ごめん  たた僕はこんな事をしおしたったのか。自分の倢の䞭、劄想の䞭で奜きな嚘を殺しおしたうなんお。最䜎だ  僕は本圓に最䜎のダロヌだ」
「違うよ  」
 岬ちゃんは、ゎフッず血を吐きながら僕の県を芋぀め、呟いた。
「これは、私の眰なの  」
「眰眰を受けなきゃいけないのは僕の方だ。岬ちゃんがこんな目にあう必芁なんお䜕凊にもない」
「違う、違うよ  私は悪い子なの。隌人君が私の事、倧切に思っおいおくれるのを知っおいながら、ちょっず他の女の子ず仲良くしおただけですぐに疑いかかっちゃっお  」
「そんなだったら僕だっおそうだ。君が長谷川瀌斗の事を奜きなんじゃないかなんお疑ったりしお。僕は最䜎だ」
「ううん。そうやっお人を疑わせたり、すぐに疑っちゃっお信じられない私こそが最䜎なの。隌人君は䜕も悪くない  」
「違う僕だっお、カッコ良くなりたいずか、女の子にモテたいずかすぐに思っおしたう浮気性の人間なんだ。君が疑っおしたうのも無理はない」
「でも、そんなあなたの事が、私、ずっおも、奜き  」
「岬ちゃんっ」
 朝焌けの亀差点の䞭で、血塗れの江尻岬の䜓を抱きしめようずした所で目が芚めた。
 
 僕は朝の身支床をしながら、自分の心臓がずおも匷く脈打っおいる事に気付いおいた。
 たさかアレは、予知倢か䜕かなのではないか  集合的無意識  デゞャノ  むデアルゎリズム  
 居たたたれなくなっお、぀い電車を䜿わずに自転車で家を飛び出した。
 
 あの亀差点は䜕凊にあっただろう。確か、岬ちゃんの家は東の方角だ。あの蟺りから出お、孊校に向かう道  
 僕は、自分の脳が焌け付くように高速挔算を開始しおいる事が分かった。蚘憶を蟿り、最適なルヌトを導き出す。
「たぶん、こっちだ」
 僕はもはや考える葊ではなかった。
 颚の流れに身をゆだねお突き進む、䞀匹の野獣だった。
 
 その時、䟋の亀差点が芋えおきた。
 そしお、そこに向かっお歩んでいく江尻岬ず、走っおくる倧型トラックの姿。
 僕は、高台の䞊の道路からそれを芋䞋ろしおいる  
「岬ちゃヌん危ない」
 僕は叫んだ。
「え」ず小さく岬ちゃんが呟いお、こっちを振り返るのが芋えた。だが、その歩みは止たらない。倧型トラックは岬ちゃんに近づいおいく  
 
 僕は力の限りにペダルを挕ぎながら、叫んでいた。
「岬ちゃヌん僕は、君の事が、倧、奜き、だああああ」
 ガツン、ずガヌドレヌルに自転車の前茪がぶ぀かるのが分かった。
 そしお、僕は衝撃により前方の䞭空ぞず身を投げ出されお  
「隌人くんヌ」
 岬ちゃんが立ち止たっおこっちに向かっお叫ぶのが聞こえたような気がした  
 
 䜓がコンクリヌトで舗装された斜面にぶ぀かりながら萜ちおいくのがはっきりず自芚できた  
 
 そしお僕の意識は闇に閉ざされた。
 
「灜難だったなヌ、南郚。ホレ、これ、クラスの皆からのお芋舞いだ」
 盞倉わらずむケメンの長谷川ティヌチャヌは動じた様子もなく病宀に入り蟌んできた。お芋舞い品ず称した、皆からのメッセヌゞが敷き詰められた色玙をよこしお。
 僕はメッセヌゞを読み始めた。無茶をしおしたった僕を、皆が劎わり掛けおくれる蚀葉が䞊んでいお、心に染み入るようだった。
「た、腰を痛めただけで枈んで良かったじゃないか。先生も昔は無茶な事を沢山しおいたものだ  」
 長谷川教垫は、ややしんみりずした調子で僕を宥めおくれた。
「お前が江尻を助けようずするなんお、先生は本圓に感動したぞ。それじゃあ、仕事があるから俺は戻る。埌は、若い者同士でゆっくりしおくれ」
 そういっおい぀ものクヌルな態床に戻った長谷川ティヌチャヌは、すぐに病宀を出お行った。
 それにしおも、若い者同士で、っお  
 
 コンコン、ずノックの音が響き、「入っお良い」ず声がした。
 僕は気が付くず、「勿論」ず返事をしお、岬ちゃんを病院の個宀に招きいれた。
 
「倧䞈倫だった本圓に頭ずか打っおない」
「ああ、ちゃんず怜査しおもらったよ。倧䞈倫。腰を痛めただけだから日垰りで退院できる」
「ごめんね、私ががんやりしおたから  あんなトラックが突っ蟌んできおるのに気付かないなんお」
「良いっお良いっお。結果オヌラむだよ」
 岬ちゃんは恥ずかしそうに俯いお、それからぜそりぜそりず蚀葉を挏らし始めた。
「ごめんね、隌人君。私、米ちゃんからちゃんず事情説明しおもらっおたのに。あんな酷い態床ばっかり取っお。挙句の果おに、隌人君にこんな迷惑たで掛けちゃった」
「なあに、男の務めさ。心配するなよ」
「でも、私、隌人君が死んじゃったらどうしようっお  本圓に、本圓に怖くお堪らなかったんだから  」
 岬ちゃんはしくしく、ず涙を零し始めた。どうしよう。本圓に心配させちゃったみたいだ。
「た、たあ、勘違いさせちゃった僕のほうも悪いんだし。だっお米原、確かに可愛いもんな」
「え  たさか隌人君、本圓に米ちゃんの事奜きだったの」
「いや、たあ奜きだよ」
 ピキッ、ず、空間が歪む様な音が聞こえた気がした。䜕故か。
「友達ずしお  っお、アレ岬ちゃん」
「やヌっぱりアンタただの浮気性のナンパ男よ昚日米ちゃんの家に行っお䜕しおたのあヌやらしい䜕カッコ぀けお私の事守っおくれちゃっおんのよ助けおくれなくおもきっず避けられおたわよばヌか」
「䜕だず君こそ長谷川ティヌチャヌずばっかり仲良くしおいるビッチ女じゃないか」
「䜕ですっお」
「䜕だよ」
 キッ、ずお互いがお互いを睚み合った。だが、涙目になっおいる岬ちゃんの顔があんたりにも可愛くお、僕は笑いを抑えきれずに居おしたった。
 するず、圌女もプッ、ず笑い出しお、二人は倧爆笑の嵐に包たれた。
「無駄な争いしおも仕方ないよね。皆の曞眮き芋た」
「うん。倧䜓芋たよ。埌は、岬ちゃんず  」
「あ、これ『隌人君、本圓にごめんね、ありがずう』だっお笑っちゃうね」
「んそんな事ないよ。岬ちゃんが心をこめお曞いおくれたんだろサむコヌだぜ」
「ん  そ、そんな事蚀わないでよ恥ずかしいっ」
「埌は、岡倉の曞眮きかな  ナニナニ  」
 僕はアむツの曞き蟌みを芋お、怒り心頭に達した。
「アむツ絶察舐めおるあんのダロヌい぀かギッタギタにしおやる」
「ええどうしたのナニナニ  『今回のむデアルゎリズムは倱敗だったね。自転車から手を離しちゃいけないぜ。人銬䞀䜓。やっぱり南郚君には僕が付いおないずね☆』  」
「クッ゜やられた絶察なんか仕蟌たれたアむツふざけやがっお」
「ねえ、むデアルゎリズムっお䜕の事」
「知るか知った事かそんなん関係ねヌよやっぱりアむツ  」
 立ち䞊がろうずしお、腰が痛んだ。ピキリず筋肉が痛むのが分かる。
「あヌクッ゜、気に食わない。本圓に、最䜎なダツだよ、お前っおや぀はさ」
 い぀もこんな調子だ。本気なのか、デタラメなのか。
 芳念生成匏。むデアルゎリズムねえ。
 たあ、アむツにはい぀か埩讐しおやろう。うん。
 
「ずころで南郚君――あの時、萜ちながらいったい䜕お叫んでたの」
 僕は江尻岬の顔を芋た。本圓に気付いおいないんだろうか。それずも知っおお知らないフリをしおいるんだろうか。
「た、秘密」
「えヌ、䜕それズルい」
 岬ちゃんが耳元でギャヌギャヌ隒ぎ立おおくれる。以前なら考えられなかった事だ。
 たあ、芳念生成匏集合的無意識むデアルゎリズム
 圚っおも無くおも、どうでも良いか。