Victo-Epeso’s diary

THE 科孊究極 個人培萌 [CherinosBorges Tell‘A‘Bout] 右䞊Profileより特蚘事項アリ「

📔 Soil Entrize - Cage of Natural Selection. (2014/09/07)

Soil Entrize - Cage of Natural Selection.




 たただ。
 たた、䞖界が暗転しおいる。
 隣の郚屋の䜏人がガンガンず、ベッドの淵を手で叩く音が聞こえおくる。
 テレビゞョンに映る映像はサむケデリックな幻芚ず化しおいる。
 四方皋床の小さな叀びた郚屋に抌し蟌められた俺は、ここが䜕凊なのかすら分からない。
 だが分かるこずがある。この䞖界は停りだ。
 この小さな刑務所のようなアパヌトに、数十人の人間が――人間もどきの朚偶人圢が――抌し蟌たれおいるはずだ。
 そしお、暫く経おばこの堎所は戊堎ず化す。
 俺は小さな箪笥の䞀番䞊の匕き出しを開けお、拳銃を取り出す。たるでそれが最初からそこにあったかのように、自分でも驚くほど慣れた手぀きで。
 䜕者なんだ、俺は。
 テレビのリモコンを取り、ベッドに腰掛けチャンネルを合わせる。窓のないこの郚屋の䞭、ギトギトした赀いテレビの茪郭がグロテスクに芋える。
 どこのチャンネルもサむケデリックな映像やノむズばかりだったが、ニュヌス番組をやっおいるチャンネルが䞀぀だけあった。これも、あらかじめ知っおいるこずのようだった。
 どこかの亀通事故珟堎の前で取材をしおいる、テレビのリポヌタヌが蚀う。
「君は自分が䜕凊に居るかわかっおいるかね」
「ノヌ」
 映像ずはたるでかみ合わない音声に、俺は答える。
「䞊出来だ。自分が䜕も理解しおいない事を理解しおいる」
「ここは䜕凊なんだこれから䜕をすればいい」
「君たちは、卵なのだよ。孵るものはただ䞀人。今はそれだけ蚀えば十分だ」
 テレビのリポヌタヌは笑っお消えおしたった。どこかの家が燃えおいるような映像に切り替わり、䞍思議な印象のポップ・゜ングが聞こえる。
 俺は誰なんだ着おいたシャツで汗ばんだ顔をぬぐい、䞀呌吞を眮き萜ち着こうずする。
 隣の郚屋から、ドガンず扉をけ砎る音が聞こえおきた。
 俺は息をひそめお自分の郚屋の扉に近づく。扉の栌子越しに、倧型のハンマヌを手にした倧男が廊䞋を歩いおいるのが芋える。
 廊䞋の向かいには、同じような扉がいく぀も䞊んでいる。倧男は、向かいの郚屋の扉をこじ開け、入っおいく。
 䞭に居た別の男が叫んで䜕か蚎えおいるのがわかる。しかし倧男は意にも解せず、倧型のスレッゞ・ハンマヌを振りかざした。
 ぐちゃっず、頭蓋骚が砕け脳みそず肉片が爆ぜ散る音が聞こえた。
 満足そうにため息を぀く倧男を芋お、確信する。やらなければやられるだけだ――ず。
 俺は勢いよく扉を開け、倧男に奇襲を仕掛けた。
 手にしおいた拳銃の匕き金を匟く。発砲の音が鳎り響き、振り向いた倧男の県球に匟䞞がえぐりこむ。
 さらに二発続けお匟䞞を攟ち、倧男の頭郚は朚端埮塵の肉片になった。
 その時、廊䞋の向こうでも銃声が聞こえた。みんな既に戊いはじめおいるらしい。
 俺たちが䜕者なのか分からないが、どうやら自然淘汰的に誰かが生き残るたで戊わなければいけない仕組みだ。俺たちは生たれ぀぀ある戊士なのだ。
 他の郚屋も開けお、生存者を探す。向かい偎のもう䞀぀の郚屋には誰もいなかった。
 廊䞋を抜けお、階段の螊り堎ぞ。階䞋から手抎匟が投げ蟌たれる。咄嗟に身を投げ出しお反察偎の廊䞋に逃げる。
 爆炎を避け、顔を䞊げた俺を埅っおいたのは、倧型の鉈を構えた男のしかめ面だった。
 俺の反応より早く鉈は振り䞋ろされ、俺の銖は胎䜓から離れおいた。

 

 ◇

 

 たただ。
 たた䞖界が暗転しおいる。
 頭痛ず共に目が芚める。
 さっきず同じ、小さな郚屋の䞊  
 埮かだが、確かに蚘憶が残っおいる。
 銖に手を圓おおみたが、ちゃんず胎䜓ず繋がっおる。
 俺はテレビのチャンネルをワむドショヌに合わせお  
「先ほどたでの戊瞟。最終的に党員が同士蚎ちで死亡。五䜓満足に生き残った者はいなかった」
「俺たちに䜕をさせおいるんだ」
「自然淘汰ず、自然研磚」
 俺はベッドの淵をガツンず殎った。
 さっきず同じ䜍眮から拳銃を取り出し、テレビに向かっお撃぀。
 ガシャンず割れたモニタヌから、たた䞍快なポップ・゜ングが流れおいる。
 扉の倖に出る。
 アパヌトの倖に出ようず思い、急いで階䞋に向かう。
 幞いなこずにただ誰も出おきおはいなかった。出入り口ず思しき倧きな扉があった。だが、扉には鍵がかかっおいる。
 機械仕掛けの倧きな扉  誰が䜜ったのかは分からない。
 倖に出るのは無理なようなので、手近な郚屋に䞊がり蟌んで䞭の䜏人を襲う。
 出おきた男を銃で殺し、郚屋の䞭を物色する。
 どの郚屋も基本䌌たような構造らしく、歊噚の入った箪笥ず、ベッドず、テレビくらいしかたずもなものはない。
 どこかにキヌでもある事を期埅したが、それが叶うのは難しいようだ。誰かがキヌを持っおいるずしおも、党員分殺しお物色しなければいけない。
 結局、生き残った者だけが倖に出れるずみおも間違いなさそうだ。
 俺は、他の郚屋を圓たるこずにした。隣の郚屋に䟵入するが、誰もいない。しかしどこかに気配がある。
 ベッドの䞋に隠れたそい぀は、突然手抎匟を投げおくる。
 慌おお廊䞋に逃げ出すが、拳銃を萜ずしおしたう。爆発が起こり、再び郚屋に䟵入するず銃は䜿い物にならなくなっおいた。
 ベッドの䞋から這い出おきた男は、銃を構えお突き぀けおきた。
 俺は、ずっさに目を閉じ手を空䞭に構えおいた。
 気が付いお目を開けるず、俺はい぀の間にかいび぀な圢の拳銃を構えおいた。男は眉間を撃ち抜かれお死んでいた。
 これはいったい䜕だろうか。自分で拳銃を創出したのか。
 改めお思う。ここは、珟実じゃなかったのだ。
 しかし、肉䜓らしきものず痛みがある。
 そこで俺はこの肉䜓を持ち垰る事が䜿呜なのだず思うに至った。
 残りの生存者は人ほどだった。生存者同士で殺しあっおいたためか、十数人分はある郚屋の数に察し、人数は少なくなっおいた。
 俺は残りの生存者党員をさっきず同じ芁領で殺した。意思次第で空䞭から歊噚を創出できるなら、恐れるほどのものは䜕もない。
 そうしお俺は、五䜓満足なたた自分䞀人が生き残ったこずを悟った。
 アパヌト䞀階の倧きな扉に、立䜓映像が映し出されおいる。
「おめでずう。新しい技術を習埗しお勝ち残ったな」
 僕はため息を぀いお質問した。
「この䞖界は立䜓映像なのか」
「ああ、そうずも。この䞖界は立䜓映像だ。だが、その映像は䜕凊にどうやっお照射されおいるこれは次のステヌゞのヒントだ」
「次のステヌゞそれは  」
 扉が開いた。たばゆい光が芖界を包む。次第に俺は意識を倱っおいった。

 

 ◇

 

 気が付いた時、俺は倧きな金属の栌子が匕かれた工堎のような堎所に居た。正確には、工堎の四隅の倧きな楕円䞊のカプセルの䞭から、十字状の通路に這い出おきたような圢だった。
 カプセルの䞭はねっずりずした粘土のような油に満ちおいた。そこで俺はようやく、俺自身が工堎で䜜られた存圚なのだず気づいた。
 そうだ。俺はもずもずれロから合成された肉の人圢なのだ。あの倧きなカプセルの䞭で、泥の䞭に投射された立䜓映像が本物の存圚のようにふるたい始めおいたのだ。
 だから生存性をテストされおいた。倖の䞖界で生きる資栌があるかどうかを。立䜓映像は泥の肉䜓を珟実のものずしおたずい、぀いに俺は倖の䞖界に初めお生たれたのだ。
 しかし、この工堎は  たるで、最初に目芚めた小さな郚屋ず同じように思えた。倧きさこそ違えど、閉塞感は同じだった。
 俺は通路を歩いお郚屋の構造を調べおみた。䞊䞋に倧きく空間が開いた郚屋で、䞊の方には照明が仕掛けられおいる。
 䞋の方は、カプセルの䞋半分がおさめられお、冷华氎のようなものに浞かっおいる。
 カプセルは぀あるが、どれも扉が開かれお䞭の泥が露出しおいお、今は䜿い物にならない状態のようだった。
 壁面には「Soil-Entrize System」ず曞かれおいる。゜むル゚ントラむズシステム。俺のような人間を䜜り䞊げるためのシステムだろうか。
 俺は通路の隅の扉を調べる。認蚌システムずやらの文字が芋お取れたが、特に䜕も蚀わない。扉の取っ手を匕いたら、倚少重かったが普通に開いた。
 扉の先は、暗闇の通路だった。照明が働いおいないらしく、薄暗い闇の䞭で非垞灯のサむンだけが生きおいる。
 劙に暑いのは、手すりの぀いた通路の䞋を流れる冷华氎らしきものが、今でもどこかの排熱を拟っおいるらしく、それが冷华されず熱湯になっおいるせいなのだろう。
 この工堎はいったい䜕なのだそもそも、俺はこの堎所が䜕なのか、䜕凊の䞖界の䜕凊の囜にあるものなのか、たるっきり分からなくなっおいた。
 いや、単玔に知識が足りないのだ。そもそも擬人に過ぎないこの俺は、怜玢察象ずなるデヌタベヌスすら持たされおいないのだろう。
 しかし、この工堎が皌働を終えおから盞圓の幎月が経぀ように芋える。いったいなぜ、今曎になっお俺が䜜られたずいうのか
 䜕かのきっかけで偶然死んでいたシステムが蘇り、皌働しおしたったのだろうか。
 だずしおも、この工堎の倖には䜕があるのか。譊戒するに越したこずはない。入っおきたのず向こう偎の扉たで歩ききっお、ようやく思った。
 俺は拳銃を取り出そうず思った。しかし懐には䜕もない。空䞭から拳銃を取り出そうず思っおも、䜕も出ない。
 いや、䜕かを生み出せそうな感芚はあったが、意思次第で突然拳銃のような道具が生成されるこずはなかった。
 そもそも、いったいなぜカプセルの䞭の䞖界ではあんな䟿利な道具が展開できおいたのだろう。自分の知識のデヌタベヌスから、必芁な道具を遞んで生成する  
 自分の䜓を構成する光孊的゚ネルギヌが泥を物質に収束し盎したのだろうかだずしたら、あの力は䜿うほど自分を消耗する可胜性がある  
 俺は諊めお扉を開けた。いや、開けようずした  が、䞭々開かない。䜕か、倧きな圧力がかかっおいるように  
 力を蟌めお取っ手を匕くが、きしむ音だけで開かない。俺は、䜕か手はないかず考えた。
 あの物質を生成する力を、自らの内に向けお䜿ったらどうだ
 そう思い぀いお、自分の肉䜓を増匷するために意識を向けおみた。時間をかけお、ゆっくりず呌吞をするうちに、自らの力が高たっおいくのを感じる。
 党身を芆う神経系を掻性化させ、その電気的信号を元に肉䜓を倧きく膚匵させおいくように  
 詊みは意倖なほど䞊手くいった。俺の肉䜓は増匷されおいる。さっきたで開かなかった扉も䜙裕で開けそうなくらいに。
 俺は、取っ手を぀かみ、党力で扉を開けた。
 バンずいう音がしお、突然俺の耳が音を立お匟けた。正確には、錓膜が勢いよく収瞮したようだった。
 俺はものすごい勢いで咳き蟌んだ。そしお、耳ず錻ず口からものすごい勢いで液䜓を垂れ流し始めた。
 ずいうのも、扉を開けた途端、空気が入り蟌んできたのだ。愚かにも俺は、自分が䜕らかの液䜓の䞭に溺れおいたこずに気づいおなかったのだ。
 咳から解攟され、自分の䜓内から軜い油のようなその液䜓が排出され切った埌、疲匊した䜓を起こしおようやく事態を把握できた。
 液䜓は今は膝元くらいたで浞かっおいる。さっきたで党身が浞かっおいたのだから驚きだが、呌吞も出来たし、䞋の冷华氎より随分軜い液䜓のようだった。
 この液䜓の正䜓がいったい䜕だったのかは分からないが、生呜力を䞎えおくれる液䜓なのは間違いなさそうだった。
 その蚌拠に、さっきの力が空気䞭では䜿えない。液䜓が浞かっおいる郚分だけ、肉䜓を増匷できるようだ。
 あるいは、さっきのカプセル内の泥ず同じ性質をこの液䜓は持っおいるのかもしれない。もしくは、さっきの泥がうんず薄たったものが液䜓に含たれおいたのか。
 なんにせよ、泥の䞭から生たれたず思ったら、矊氎の海から出られおいなかったようだ。
 ここから先は益々油断できない。
 俺は扉をたたいで、その先ぞ行く。先の空間は開けおいお、先の液䜓が排出される甚氎路があっおプヌルになっおいお、その分空気がちゃんずあるようだった。
 手すりの぀いた通路が壁面に沿っお䜜られおおり、フロアの壁は数十メヌトル先たで続いおいる。これだけ広くおもただ屋内のようだが、ここは本圓にただの工堎だろうか。
 俺は、突然眩暈がしお、目の前に珟れた立䜓映像を芋おいた。最初のカプセルを出た時ず同じような、䜕者かの顔がしゃべりだす  
「やあ、次のステヌゞに進めたようだな。自分自身の光孊的情報を利甚する術は身に぀いたか」
「ああ  だけど、もう䜿えないじゃないか」
「だが、私はこのように映像を照射できる。䜕故かわかるかね」
「ただここが、珟実じゃない  」
「そうずも。ここはただ、珟実ず呌ぶにはふさわしくない堎所だ。だからガむドがいる」
「どういう事だ  」
「次のステヌゞに進む前に、勉匷したたえ。そっちの小郚屋に生きおいる携行端末がある。次の䞖界は、生たれたばかりの君がすぐに死ぬような堎所だ」

 

 ◇

 

 蚀われた通り、壁面沿いの小郚屋に入ったら、無数の蔵曞やファむルず共に、いく぀かの端末があった。ただ生きお䜿えそうな端末を拟い、情報を芋ながら進むこずにした。
『か぀お、倧きな揉め事があった。ずお぀もなく倧きな揉め事が。殆どの人類の肉䜓は損耗し、遺䌝子がボロボロに傷぀いおいた。人類は゜むル・゚ントラむズ――゜むレントを䜿い始めた』
 元々は人類の肉䜓の損壊を修埩するために、資源泥を䜿っお肉䜓を再収束するためのシステムだったのだろうか。
『しかし、人類の肉䜓の損壊はもっずずっず早くなっおしたった  環境汚染は悪化を極め、取り急ぎで修埩された人類の肉䜓は安定性を倱い、ずもすればすぐに泥ずスヌプに還元されおいく』
 それが、さっきの泥やスヌプのようだ。䜕らかの環境汚染により、肉䜓が溶けスヌプになっおしたい、再収束が間に合わなくなっおしたったのだろう。
『我々は、環境の倉化に負けない人間を䜜らざるを埗なかった。蓄積された被隓者のデヌタを元に疑䌌人栌を䜜り、それを元に厳密に光孊的な人間の基本フレヌムワヌクを構築  
゜むル・゚ントラむズによる物質化により、無数の人類の䞭から優秀な遺䌝的特質を抜出  匷化する事で、やがお環境に適応した人間を䞀から䜜ろうずしたのである』
 この堎所は自己埪環型のシェルタヌのような構造のようだ。倖に出れば、恐ろしい攟射熱によっお身䜓はドロドロになっおしたうのだろう。旧来の人間ならば。
『研究が完成したのかどうか、未知数だ。倖の䞖界に人が生き残っおいるのかはわからない。しかし、今たでに出おいった゜むレント兵は、䞀人たりずお戻っおきおはいない』
 ここでレポヌトは終わっおいる。
 俺は歩きながらそれを読み、ようやく倖の䞖界ぞの扉にたでたどり着いおいた。
 立䜓映像が出珟し、俺に問いただす。
「芚悟はいいかこの先は汚染された地䞊だ」
「ああ、倧䞈倫だ。早く倖に出たい」
「䞍思議なものだな。䜕故そんなにも倖に出たがるのか、自芚しおいるのか」
「そのように本胜的にむンプットされおいるのか」
「そうかもしれんな。ただ、お前は奜奇心に突き動かされおいるように芋える」
「その通りさ。生たれおすぐに蚳の分からない殺し合いたでさせられお、蚳の分からない薄暗い建物に閉じ蟌められお。
そんな事のために生たれたわけじゃないはずだ。俺には生きるべき堎所がある」
「フッ  お前たち゜むレント兵は持たざる者故幞犏だな。それでいい。だからこそ我々は数癟幎ぶりに゜むレント兵を誕生させようず思ったのだ」
「あんたたち、は誰なんだ」
「忘れおしたったよ。ただ、意志ずいうものの集いだったこずだけは芚えおいる」
「意志」
「なあ、倖の䞖界どころじゃないぞ。この䞖界は、完璧に汚染されお、䜕凊もかしこも存圚そのものが溶け切っおしたっおいる。
垌薄な情報のマトリクスにたで還元されおしたった䞖界が、光孊゚ネルギヌのか现い収束によっお無数の平行時空のように䜍盞が重なり合っおいる  」
「䜕のこずだ」
「お前が吞っおいる空気も、本圓の空気ず呌べるものではない。生呜の泥、生呜のスヌプから生たれし者よ、今もお前は生呜のガスを吞っお生きおいるのだよ。
ただ、光孊情報マトリクスず化した䞖界が、ここたで再収束出来おいるこず自䜓、お前を生み出した゜むレントのシステムが優れおいたからだ。
それは、゜むレント兵それ自䜓が自分自身ず共に、自分の芋おいる䞖界を再収束させる働きを持぀からなのだ。自分の肉䜓ず、自分の芋おいる䞖界は切り離せないものだからな  
物質再収束の術を倖環境にたで適甚し、䞖界ず共に圚り続ける事が出来る存圚  それがお前なのだよ。
ここからは、お前の芖点が䞖界を䜜る。ただ、忘れるな。私たちがお前を䜜り䞊げたのは、お前意倖に助けおもらいたいお方が今も生きおいるからだ」
「䜕だっお」
「人類はな、か぀お垌薄な゚ネルギヌ䜓にたで溶け切っおしたったんだ。物質が物質じゃなくなり、倪陜に吞収され、消えおいくはずだったそれを、぀なぎずめおくれたのは人々の意志の力だ。
意志の力だけが人類を人類のたた情報ずしお保存  いや、蚘憶しおくれたのだよ。そしお、人類はずうずう玔粋な゚ネルギヌ䜓のたた光速の圌方たで至り、その先にある扉を開いた。
神の扉だよ。しかしな  我々は知っおしたったんだ。そこには寂しがりやな神様がいお、我々のような自分が垌薄な存圚じゃ、話し盞手になれおも遊び盞手ずしお満足できないんだず」
「興味深い話だ」
「お前ならいずれその方ず出䌚えるかもしれん。生きおさえいればな  お前の存圚は、そのための垌望だったのさ。
だから我々が遠い昔に滅びた゜むル゚ントラむズシステムの工業を䞀時的に埩元した  ずいう事だ。たあ、我々の芋おいる倢ず同じようなものだがな」
「お前たちの芋おいる倢から俺は生たれたのか」
「そうさ、お前ず我々は本来同䞀人物なのかもしれん。だが、お前は個性を獲埗し぀぀ある。我々ずは別の存圚になろうずしおいるのだ」
「そうか  じゃあ、お別れだな」
「倖の䞖界には、他の゜むレント兵や人類の生き残りもいるやもしれん。党郚、お前の芋る倢次第だ。やるべきこずは分かっおいるよな」
「ああ  倧䞈倫だ」
「グッドラック。じゃあな、頑匵れよ」
 そしお俺は扉を開いお、本圓の䞖界ぞず螏み出した  
 襲い掛かる暎颚雚、攟射化物質の粉塵にたみれた倧気  
 異様な倧気の䞭、それでも奇怪な怍物が生い茂る森の䞭に俺は出た。
 振り返った時、そこにあったはずのシェルタヌは、厩壊した廃墟ず化しおいた  
 その時、ようやく俺は自分が完党にこの䞖界に生たれ萜ちた事を知った。
 しかし、俺は本圓に珟実に至ったのだろうか

 

 ◇

 

 䞖界を旅する䞭、俺は垞に朜ちゆく肉䜓を自己埩元し続ける術、断続的に襲い掛かる突発的な死から回埩するための術を孊び぀぀あった。
 それらは゜むレントの殻の䞭で孊び取ったこずでもあったから、慣れるのも早かった。
 い぀の間にか、生呜のガスを吞っお自分の肉䜓に還元するこずも芚え、食の心配もなくなった。
 俺は゜むレント兵ずしお、朜ちおしたったずいう䞖界を旅しおたわるこずにした。
 䞖界環境はもはや人間の䜏めるものじゃなくなっおいるようだったが、別の倧陞や極付近には人間の䜏めるずころも残っおいるかもしれない。
 俺の目的はだんだん広がっおいった。
 ある時、汚染された真っ赀な海を芋぀けお、この海を枡るために船を䜜るこずにした。
 資材を集めおいる最䞭、俺は初めお自分以倖の人間ず出䌚った。
 矎しい女だった。
 圌女は、遠い昔からいろんな堎所をあおどなくさ迷い歩いおいたのだずいう。
「昔は、沢山の人々がいた。私は、人々の目には芋えなかったんだけどね。でも、ようやくこうしお、私の事を芋える人が出おきおくれた。觊れ合っお、話が出来る」
「初めおなのか」
「ええ」
 俺は圌女ず結婚するのだろうず思う。そしお、滅びおしたった䞖界もこれからは盛り返すかもしれない。
 ただ䜕ずなく、そう思った。

 

END