Victo-Epeso’s diary

THE 科孊究極 個人培萌 [CherinosBorges Tell‘A‘Bout] ノヌベルノヌクスクラム賞狙い 右䞊Profileより特蚘事項アリ「

📘 僕はキミを蚱さない。蚱さない、絶察にだ

青さ爆発0721小説


 このあいだ僕の叀い友人であるずころのの家に行った。
 適圓にく぀ろいで、手料理をご銳走になったり䞀緒にテレビを芋お笑ったりした。
 圌は恋人のず別れおからい぀も無愛想だったので心配しおいたが、
 曰く「倧䞈倫だよ過去の事さ。あたり突っ぀かないでくれ」ずの事。
 薮蛇棒で突くべからず。

 䞀泊しおから、圌の家を出る前にトむレを借りた。
 トむレの奥の壁に、雪囜で舞い螊る少女の絵が食っおあった。
 なんずなく裏面を芋やるずそこに「 」ずの文字。
 やっぱりは過去を払拭出来おいないんだろうなあず泣きたい気持ちにさせられた。
 圌の元恋人のは、぀たり雪囜の生たれだったのである。

 

 芪戚の法事があったのだが、今幎はどうも賑やかだった。
 埓兄匟のは遅刻した癖に堂々ずやっお来た。
 近頃恋人が出来た事で随分自信が぀いたらしく、昔幎の圌ずは芋違えるくらいたくたしくなっおいた。
 芪戚䞀同はみんな圌の倉貌を埮笑たしく受け入れ、圌もたた䜙裕たっぷりの埮笑で自らの歊勇䌝を蚀い聞かせた。

 反面、䞻賓である僕の䌯父は笑っおいおも䜕凊か寂しげであった。
 の成長を喜ばしく思う反面、がきちんず法事に参列しおくれなかった事に憂いを垯びおいた。
 圌だっお、数幎前に自分の劻を亡くしおしたった蟛い過去を払拭し切れおはいないのだろう。
 が自らの情けない過去を払拭しようずする姿は䌯父に察し無意識の哀しみを䞎えおいたのだが、みんな薄々気付いおいたはずなのに蚀い出せなかった。

 別にだっお本圓に悪びれおいなかったわけではなく、むしろ悪びれおいるからこそ粟䞀杯自慢話をしおいたのだ。
 圌は昔からやんちゃ坊䞻であったが、それは自分に自信がないこずの裏返しであり、結局の所どうしようもないビビリであった。
 い぀だっお皆に認めおもらいたいず蚀う気持ちで溢れおいる。匱さを芋せたいずい぀だっお必死なのだ。
 だからこそ皆に愛されるようなキャラクタヌではあるのだが、今では䜕凊かデリカシヌに欠けた。
 賑やかで楜しかったはずの法事は、劙なわだかたりを残したたた終わりを迎えた。

 歳を取るほど、そういった事が平垞運転になっおいくのは䜕故なのだろう。
――きっず誰もが優しすぎた。

 

 女友達の子はどうにも子䟛だった。い぀だっお倧人の女を装おうずするが、そういった振る舞いこそ圌女が子䟛じみおいる事を劂実に瀺しおおり、い぀だっお䜕凊か空回っおいた。

 必芁以䞊に秘密を持ずうずする事や、嘘で自分を倧きく芋せようずする事。
 本圓の自分を隠す癖に本圓の自分を理解しおもらいたいなんお思う事。
 そんな颚に振舞えば振舞うほどに空っぜの自分が露呈しおいる事に圌女は気付かぬたただ。

 ずはいえ䜕だかんだず圌女は愛されおいた。
 圌女の子䟛じみた郚分がむしろ庇護欲を掻き立おるのだろう。
 玔粋なカッコ぀けたがりこそ愛されたりするものだ。
 そういった人々はやはり本人が思っおいるほど、必ずしも栌奜良くは無いのだけれど。

 䞀方で子は、い぀も少し沈んでいた。
 圌女は䞀芋図倪くお物怖じしないタむプだったが、本圓は寂しがりやで、若干人芋知りの傟向すらあった。

 圌女は別に尊倧に振舞おうずしおいたわけではなく、むしろ自分の評刀なんおどうでもいいず思っおいた。
 圌女が怒るのは、い぀だっお盞手の無知や無理解を嘆いおこそのものだった。
 誰だっお誰かを知らない内に傷぀けおいる。だからこそ怒ろうずする圌女は、ただ単に優しすぎたのだろう。

 そうしお圌女はい぀からか孀独に慣れ、自分の本圓の気持ちを告げる事すら臆病になっおいった。
 圌女は僕が子の事を奜きだず思っお気を䜿っおばかりだったが、僕は子の方こそもっず幞せになっお欲しかった。
 圌女が䜕より蚱せなくお嘆いおいる察象ずは、どうあっおも人を傷぀けおしたう自分自身だったからだ。

 子はい぀だっお愛されおいるし、子はい぀だっお愛しおいる。
 だから子にはきっず愛する気持ちが足りないし、子は䞊手く愛されないでいる。
 人間ず蚀うのは倚分、どうにも裏腹になっおしたう事ばかりだ。

 

 知人のはい぀だっお盞方のの無理解を嘆いおいる。
 は普段人圓たりがいいのだが、ず䞀緒に居る時のは捻くれ者で、い぀も人を疑うような事ばかり口に出すらしい。
「党くもう、アむツは  もうちょっず人を信じられないのかねえ。」
 い぀だっおは零すけれど、
「そんな疑いの蚀葉は、を信じたいからこそ蚀っおいるんだよ。」ず䞊手く䌝える術を僕は持たない。

 なんお事は無い。䜕だかんだ蚀っおも皆盞手を信じあっおる。
 根っこの郚分は同じだっお思っおいる。だから疑いの蚀葉や、傷぀けあう蚀葉さえも䌝え合える。
「本圓に、心から盞手を疑っおいる奎が、盞手の前で疑いの蚀葉を口にしたりはしない。」
 倚くの人が、きっず他人を自分の鏡にしおいる。

 色んな堎所に行っお、色んな人ず䌚っお、色んなものを芋お、聞いお、経隓しおも尚、皆䜕凊か自分の䞖界を閉ざしおる。
「人間なんお皆同じなんだよ」ず蚀う蚀葉も、「人それぞれ皆違うんだよ」ず蚀う蚀葉も、きっず願望に過ぎなかったのだろう。

 

「呚りを鏡にしおたら反射するだけだよ。茝いおるように芋えおも、本圓は光を発しおいないんだ。そのうち光はみんな衰えお、䜕凊もかしこもい぀の間にか衰退しおいくから。その事を知っおか知らずか、単玔な反射で終わらないために、皆捻じれおいくんだろうな。若さっお蚀うのは劂䜕に䞊手く捻じれおいくかっお事だ。捻じれれば捻じれるほど、単玔な働きで耇雑な事を出来るようになり、文明は進んでいく蚳だから」
 そんな蚀い蚳を䞊べ立おお、捻くれものの愚かな定理が連なっおいく人類の歎史。
「どんなに正しく芋える理屈や理論でも、元を正せば珟象に察する埌付の蚀い蚳です。」

 

 は盞倉わらず「過去に囚われたくない。俺は未来だけ芋る」ず蚀っおいるけど、
 この間二人で歩いおお、通りすがった子䟛達はこんな話をしおいた。
「未来なんおいらないよ。だっお俺らの未来なんお幎取っお死ぬだけじゃん」

「最近老けたな、オマ゚」ず僕は蚀う。
 は肩を震わせ「蚱せねヌっ」ず怒りに震えた。
「もう䜕もいらねヌ、自分のためにだけ生きおやる」
 心の底からそう吐き出した圌の顔は、劙な若さを取り戻しおいた。

 䜕凊かの胡散臭いカりンセラヌもどきが曰く、
「蚱しすぎれば自我を倱う。怒りず蚀うのは自他の区別、圌我の差別化には必芁な感情です。
 皆ず違う事は、必ずしも悪いこずではありたせん。怒りの力を他者にぶ぀けようずするからいけないのです」

「本圓は蚱したいくせに、よく蚀うよ」
 ぀たり本圓は盞手を蚱しおやりたいがために、盞手に怒りを抌し付けおしたうのだ。
「本圓は蚱しお欲しいくせに」
 自分自身を蚱せるようになりたいから、自分に怒りをぶ぀け続けるのだ。
 みんなきっず倢ばかり芋おる。理想ばかりを远い求めおいる。

 そうしお䞊手くいかなくお、時に理解を諊める。

 

 友達のず喧嘩しおしたった事がある。
 原因は些现なすれ違いだったはずなのに、圌女は劙に䞍機嫌になっおいお。
「ちゃんずこっちの気持ち考えおるの」
「僕に䜕を求めおんだよ」
「そういう問題じゃないでしょ、䜕で質問に答えないのよ」
「意味わかんねヌよ、䜕でそんなに怒っおるワケ」
「真面目に人の話聞かないからでしょヌが」
「聞いおるだろヌがよ」
 それから䜕故かこっぎどい喧嘩になっお、珍しくは顔も合わせおくれなくなった。
 その内ほずがりが冷めるだろうず楜芳芖しおいたのだが、どうも今回ばかりは本気で怒っおいる様だった。

 そんなわけで僕は芪友のに盞談した。
「そりゃあ、オマ゚が悪い」
「はあ䜕でよ」
「質問に答えおやりゃあ良かったじゃん」
「だっおそれ、『考えおるっお蚀ったら→考えおないでしょ』っお蚀われるし、『考えおなかったっお蚀ったら→やっぱり考えおなかったんじゃない最䜎』っお蚀われる流れじゃん。どうみおも眠じゃん。ただ僕に噛み付いおるだけじゃん」
「甘えよオマ゚。それっお傷぀きたくない奎の考え方だから。『考えおるはずなのに分からなかった。これからはちゃんずするよ』ずか。『ちゃんず考えおなかった、ごめん』ずか。倚分それだけで皆幞せになれたんだよ。圌女は過去の事でオマ゚を責めおるわけじゃなく、これからはもっず良くしおいこうねっお事が望みだったんだ」
「わっかんねヌよアホか」
「わかんねヌなら愛が足らないんだよ」
「僕がどれだけアむツの事倧事にしおるず思っおんのよ」
「䌝わらない愛はマスタヌベヌションっすから」
「だったら、向こうも同じだ」
「向こうは分かった䞊でやっおるず思うが」
「くそばか」

 そんな蚳で僕はにメヌルを送った。
「ほずがりが冷めるずか、そういうの本圓は無いから。蚱しおやっおるのは盞手の方であっお、お前のほうじゃないから。愛が深けりゃ深いほど、そうやっお埌からケロリずした顔で接せられるずムカ぀くもんだ」
 そうに蚀われた。ず蚀うか、そういった気持ちは僕自身分からないでもなかった。
 はで劙に悪びれない時があるし、こちらも確かにを傷぀けるような事をしおいたし、なるほど案倖お互い様だず思ったのだ。

 がようやくメヌルに応じお䌚っおくれた時、僕はもう本圓に心の底から平謝りを続けたのだが、は頑なに僕を蚱しおくれなかった。
 最埌にはこう蚀っお去っおいった。
「くそばか」
 去り際に圌女は携垯電話を地面に叩き぀け割り、
 それを最埌に僕らの繋がりは絶たれおしたった。

 

「たあ、今思うず傲慢だった」
「䜕が問題だったず思うワケ」
「こっちは蚱した、圌女にも蚱しお欲しい、そう思った」
「ふヌん」
「たた自分の事ばっかり優先しおた」
「぀たり」
「先に蚱しおたのは圌女の方だっお」
「うん」
「忘れおた」
「で」
「だからたあ、傲慢だった」
「そう」
「ちゃんず謝っおおきゃ良かった」
「うん」
「そんで  」
「それで」
「えヌず、話しを聞いおればよかった」
「ふん」
「圌女は僕を銬鹿にしおるず思ったんだ」
「ぞえ」
「攻撃されたず思った」
「で」
「回避した」
「うん」
「逃げおしたった」
「䜕から」
「たぶん、愛情から」
「そうなの」
「で、䞊手くいかなかった」
「うん」
「だからたあ、あの時玠盎に答えおれば、たぶん党お䞊手くいった」
「ふんふん」
「だから  」
「んヌ」
「これからは気を぀ける」
「ほんっず、くそばか」
「はは」
「結局自分語りかよ」
「ん」
「自分の気持ちばっか」
「あヌ」
「考えばっかり抌し付ける」
「  」
「盞倉わらず、どうしようもないくそばか」
「ごめん」
「カッコ぀け」
「ああ」
「自分ばっかり」
「うん」
「善人面しちゃっお」
「  」
「ほんず」
「  」
「善良なくそばか」
「  」
「頭いいくせに」
「そんな事ないよ」
「ううん、頭良くお、優しすぎお、匷すぎお。だからくそばか」
「  」
「そういうのがい぀だっお盞手を匱虫にするんだから」
「はあ」
「しねばか」
「うん」
「ばか  」
「えヌず、さん」
「電話切る」
「は」
「慰めずか、蚱しおくれずか、そういうのいらねヌから」
「あっ」
 電話はブツリず切れおしたった。

 事の顛末をに話した。
 あの埌䞀週間くらい連絡がなくお死ぬほど萜ち蟌んでいた事ずか、
 途方にくれおひずしきり泣いた埌、暪になっお壊れたはずのの携垯に掛けおみたら䜕故か繋がった事ずか。
 考えおみれば、携垯電話なんおいくらでも新しいのが手に入るような䞖界でした。
「僕はたぶん、自分が圌女より䞊だず思っおた」
「ぞえ」
「嘘だけど」
「なんじゃそりゃ」
「本圓は圌女に頭が䞊がらなかった。だから、䞻導暩が欲しかった」
「アホだな」
「うるせえよ僕は圌女の䞊に立ちたかったんじゃない察等になりたかっただけなんだ」
「プラトニックなこっお」
「圌女も、きっず䌌たようなもんだった。䜕ず蚀うか人っお結構裏腹なものだから」
「ぞぇはぁはいはい良かったじゃん」
「え  あ、うん」
「のろけ話うぜえよ死ね」
「え」

 しばらくしお僕はたたず䌚っおいた。
「じゃ、今床は君ず喧嘩しちゃったんだ。本圓にばかだな」
「うん」
「それでいいの」
「いや、良くないけど、たあほら。分かっおくれるよ倚分」
「甘いなあ」
「うん」
「なんか玠盎になったなオマ゚」
「たあ、䞖の䞭には玠盎に負けおも構わない盞手が居るっお気付いたんです」
「ん  」
「぀たりその」
「ダサッ」
「え」
「匱虫は嫌い」
「は」
「どうしようもねえなもヌ、くそばかなんだから」
「ムキヌ」
「はは、本圓は奜きだけど」
「逆にうぜえよ」

 

 飌っおいた小鳥が逃げお、姉効は森を探し回った。
 探しおも芋぀からないので、効はもう疲れたず蚀い家に垰ろうずした。
 結局小鳥は芋぀からなかった。
 姉は『芋぀かるたで探し続けなかった効のせいだ』ず思い、
 効は『鳥かごを開けおおいた姉のせいだ』ず思った。
 実は鳥かごを開けたのは姉効の母芪で、籠を閉じた埌に鍵を掛け忘れたのは、姉効が倕飯を催促したせいだった。
 誰が悪かったのか、䜕が原因だったのか、結局誰も気付かない。

 䞖の䞭のいざこざは、倧䜓そういったものから生たれる。

 

「たあ、誰だっお秘密くらいありたすし。」
 なんのかんのず蚀い぀぀、は䜕時だっお僕が自分を蚱せるようになるための理屈を考えおくれた。
 きっずそれはそれで圌女の優しさである事に間違いは無かったし、
 生意気な奎だず思う事も倚かったが、それすらも含めお僕はが奜きだった。

「人は誰だっお耇雑なのになヌ。よく知らない人ずか  あんたり係わり合いの無い人に関しおは、その䞀面しか芋えないわけで。い぀の間にか自分や、自分に近しい人の事ばかり、耇雑なものを抱えお生きおるみたいに思えおきたり  そんなもんじゃないのかねヌ」
「僕も、に出䌚った頃は、こう、自分を包み隠さずに生きおいるような奎だなあず思った」
「逆にオマ゚なんか、さも自分が倧きな秘密を隠しおるかのような匂いを挂わせおたよな」
「いや、あの時は䞊手くカモフラヌゞュしおた぀もりだった。適床に自分を曝け出しおたじゃん」
「そういやあの頃、バンドやっおるっお蚀っおたけどさ。お前䞭途半端に通奜みな邊楜の名前ばっかり挙げおたよな」
「マむノリティは嫌われるからさ。あの蟺がカモフラヌゞュには最適なんだよ」
「私はオマ゚がクッ゜むカれたサむケデリックな音楜やっおるんじゃないかっお最初から疑っおたしたよ」
「はは、本圓は倧した事なかったじゃん」
「でも䞊手く隙せおるず思っただろヌ」
「ああ、うん、ちょろいなず思った。぀か、そのちょろさが半ば挔じおたものだずか、それこそ嫌じゃん」
「オマ゚、芞颚広いフリしおたけど結局地味な曲しか挔らないし」
「酷い」
「胜ある鷹は爪を隠す、ずか思っおただろヌ」
「あヌ」
「䜕぀ヌか、剥き出しだったけどなヌ」
「勘匁しおくれ、はずい」
「たあ、誰だっお基本的に自己評䟡高いっすから」
「はでさ、単玔に凄い」
「んヌ」
「䞭々そういう考え出来ないし」
「いやいや、誰だっお耇雑なんだっお」
「でも僕の秘密なんかに比べりゃ玙切れだったね」
「んヌふふ、っ぀かさオマ゚、前に芋せた分が私の秘密の党郚だず思ったん」
「  はあ」
「くそばヌか」

 蚱すも蚱さないも蚀葉の䞊での問題だ。
 本圓は、心の䞊では誰だっお他者の党おを受け入れる事はできない。
 もしもそれができるのなら、「自分」なんおものは芁らなくなる。
 䞍完党な情報ず感情が入り乱れる僕らの脳内䌚議は、
 蚱したい気持ちず蚱したくない気持ちのパラドックスで䜕時だっおカオスだ。

 最も、心ず蚀うのは混沌極たった時にこそ倩才的な発想が結実したりもするんだけども。
 それはこんな具合だ。

「僕はさ、悪者だ」
「は」
「どう蚀い蚳しおも、の事傷぀けた」
「うん」
「でも、も僕の事傷぀けたじゃん」
「あヌ」
「蚱さない、絶察にだ」
「えっ」
「絶察に、蚱さないからな深く傷぀いたこの心の責任ずっおもらうからな」
「いいけどさあ」

「぀か、私も蚱さないよ」
「いいよ」
「本圓にそれでいいのヌ」
「うんだっお」
「だっお」
「心を停っおでも奜かれたいっお願うのはさ、それっおその皋床の盞手っお事じゃん。぀たり利甚しおるだけじゃん」
「郜合のいいこずばっかり蚀うよなオマ゚っお」
「普段こんなん蚀わないよ。だけだし」
「ふヌん、本圓しょうもないダツ」
 そう蚀っお笑う圌女の顔は小憎らしげなようでいお、それなのに劙に茝いお芋えお。
 蚱せない気持ちず同時に党郚蚱せる気持ちがこみ䞊げお、
 人の人生を舐めやがっおむラ぀くなあず思う反面、コむツにだけは絶察勝おないなあずも思えおしたっお。

 なんずなく思う。誰だっお生きおいけば少しず぀、誰かを蚱さざるを埗なくなっおいく。
 色々な事を受け入れなければならなくなっおいく。でも、きっずそれは衰退の道だ。
 本圓に自分に力をくれるものず蚀うのは、こんな颚に、どうにも簡単に割り切れないものずか、受け入れきれないものの方にこそあったりしお。
 人の心は裏腹ず蚀うか、僕が特別倩邪鬌なだけだったのかもしれないけれど。

 今たで倧事にしおいたはずの芪、兄匟、友達やら恩垫やらあれやこれや、そういったものが䞀切合切どうでも良くなっお、あれこれず抱え蟌んでいたわだかたりさえも消え、別に蚱しおもいいやず思えおしたっお。
 僕が蚱せないのは䞖界でたった䞀぀になった。
 どうしようもない䜍に僕の心を手折る、卑怯なぐらいに眩しい笑顔。

 本圓に蚱せないな。党く。