浮き世陽炎が如し空蝉に嫌呑を隠しきれぬ彼の地の王族と豪族が
成り添い集まり彼の地に奥地に永劫不変永久不朽の城塞、那由多が
如き永劫の城を建てんがために城下鷗催から才媛才女をかき集めて
永久不変の楽園の城を築き上げようとした時代があったという……。
百年立たずして毒の河川の堀に没れて何もかも草木一つ生えぬ
不毛の廃墟と化したという……。金飾と英石の悴を持って曇りなく
磨き抜かれた配色の鑑の鉄錘の王土も用水口に毒を塗られてしまえば
こちらのものというもの、大切な家族を、特に若い女子を城下から攫い
好き放題に囲い抜く王族の放蕩に呆れの極を果たされきって彼らの心は
沈みきって死んでしまったというのだ。心の瑣事を顛末の嘱扮のように
投げ患いと決め込み他地事と染め込んで、輝かしい宝飾の宮祭壇の行方
その末路は自ら滅びゆく清祓の嘶壊、だったというのだ。世の中とは
斯くもは思い描いた聚来の憮気通り上手い具合に、理想通りには
いかないものだと知ることのようでもあったという……。時代の
訓示だったという……。