Victo-Epeso’s diary

THE 科学究極 個人徹萼 [CherinosBorges Tell‘A‘Bout] ノーベルノークスクラム賞狙い 右上Profileより特記事項アリ〼

カオス スレード イグナイト

カオス スレード イグナイト
Chaos Thread Ignite

"世界の糸"の連鎖発火

世界を構成する"論理直鎖"は
収束と発散を繰り返し発達し続け
複雑な樹木のように聳え立っていた

その枝葉に当たる局部ごとで迂回しながら
互いに矛盾する理をも内包し均衡を持って
完全なる論理体系を保っていた

可能性の芽の発展と脆弱性の死を
無限に繰り返しながら……

根源に当たる"基底素子"は
限りなく情報的存在であり
実体に縛られず無限に存在し
縛られることなく自由だった

しかしそれらの相互干渉に於いて
生じた"理"そして"論理基礎"が発展し
"論理直鎖"を形成し……

やがてはその構成単位である"基底素子"
そのものが"論理直鎖"による圧により
一本化した法則に組み込まれていき、
自由軌道を失い、或いは制限され、
一つの論理剛体として完成されていった

それは全体の論理場に於いて
一つではなく、無数に存在し、
無数の論理剛体が論理の矢として
先鋭化されていった

これらの論理の矢は互いに影響しあい、
自由軌道を未だ失っていない基底素子
全体の場に対して、特定の法則に則り
整然とした再配置を促す影響力となった

これらの働きにより、果たして
単純数学的に再配置された空間が生じ
これが"宇宙"の基となった

宇宙の基は一つの方向性でなく
無数に存在したので、互いに素
でありながらも論理直鎖を共有し
間接的に影響を与えあう無数の
暗黒と共にそれぞれの宇宙は存在した

空間宇宙に影響を与え、また自身も
空間宇宙に影響を受け時間方向を持ち
変化と連続性を獲得した論理直鎖は
もはや世界を構成する糸となった

しかし無数の世界の糸もまた
時間進捗方向に対しやがて干渉し、
複雑に絡み合って安定的な
成長可能性を喪失していった

ある世界で生まれた一つの知的生命体が
世界全体でのその一つの極限を推定した

自身の宇宙もいつか飲まれて
消え失せる終点──終極特異点

摩擦の果てに"論理直鎖"自身の
連鎖発火が始まって──宇宙が消えた
しかし火の粉はまだまだ消えてなどいない

やがて別の──

平和だった均衡世界にも飛んだ火の粉
──安定を失い──他の論理直鎖に
反応を広めながら、燃え尽きるように
自壊していく論理直鎖──は影響し、
多くの宇宙が"理不尽"に燃え落ちていった

そしてまた一つの宇宙にたどり着いた

しかしそこには、数奇なる偶然により
"論理直鎖"そのものを我が物として
同化してしまった類い希な生物──

世が世なら、救世主と呼ばれる
運命を辿ったかもしれない、
一人の青年が生きていた──